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熊野市の南部、熊野灘に突き出た半島の岩盤には、浸食によってできた大小の洞穴が無数にあり「岩の国・熊野」を彷彿とさせる。
「桓武天皇のころ、将軍坂上田村麻呂は悪鬼どもの征伐を命じられた。当時、近くの烏帽子(えぼし)山に大馬(おおま)権現の化身の天女が現れ、鬼の隠れ家を教えたが、岩がそびえ、磯は波が激しく、とても立ち寄れない。その時、沖の魔見ヶ島に童子が現れ、舞い唄い、軍勢も加わって大騒ぎをした。鬼神が油断して岩戸を開く一瞬に、将軍が神通の矢を放ち、見事一矢でしとめた。」
「かつて多我丸という海賊がここに住みつき熊野一帯を荒らしてまわっていたが、坂上田村麻呂に征伐された。」など数々の伝説が残る名勝「鬼ヶ城」は熊野灘に面して、1kmあたりにも続く自然が生んだ彫刻芸術である。 |
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本当に鬼が隠れていそうな鬼ヶ城 |
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犬の横顔のような岩 |
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これらを海から眺めていると「犬の横顔のような岩」や「猿の形をした岩」なども見られる。ちょっとした自然のイタズラであろうか。波打ち際に沿って続く遊歩道を歩くと小さな洞穴が幻想的で、本当に鬼が潜んでいるように思われる。 |
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釣り人に人気の高い魔見ヶ島 |
魔見ヶ島は熊野の代表磯。イシダイと青物を柱にあらゆる釣り物がそろう。イシダイ、ヒラマサの大物はもちろん、マダイは最大90cm、クエも1m17、26kgという記録がある大場所だ。
しかし、この磯は、全体に海中への落ち込みの傾斜がきついので、足元には充分注意が必要だ。
秋から冬にかけてはかなり波も高い。 |
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