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波田須の集落の中を歩いていくと、田んぼの横に「勤槇忍」と刻まれた大きな文字岩があります。
関ヶ原で破れた武将・西丹後ノ守がここに住みつき領主となりました。この西丹後ノ守を、若い夫婦が親の敵と狙いましたが、逆に返り討ちにされたとか。 西丹後ノ守はこれを自戒し、屋敷から目の届く巨岩にこの句を刻んだと言われています。
文字岩を過ぎて再び国道311号線に出て、熊野灘を見ながら歩いていくと、間もなく大吹峠の登り口。 国道沿いにあり、トイレ・駐車場のある広いスペースになっています。
大吹峠は、伊勢路コースの中でも珍しい竹林の中を通るコース。石畳の状態もなかなかしっかりしていて、何とも言えない雰囲気を持っています。 登り自体は全然きつくないので、ゆっくりと竹林の中を楽しみたいものです。
登りはじめて少し歩くと、竹林から杉林へ。 杉林の中もきれいな石畳が残り、楽しんで歩くことができます。 峠のすぐ手前の石畳はきれいな階段状になっています。そこへスギの葉などが落ちると、伊勢路ならではの雰囲気。
登り口から20分ほどで峠の頂上に到着。 ここには昭和25年頃まで大吹茶屋があり、熊野街道を行く人々の休憩所となっていました。江戸時代の記録を見ると明和5年(1768年)の大吹茶屋の茶代1文、新鹿昼食・茶代5文となっています。
峠頂上にある猪垣(左画像)は田畑をイノシシやシカから守るために、江戸時代中期頃に築垣。延々と約10キロも続き、さながら万里の長城を思わせますが、石垣を築いた先人の苦労が偲ばれます。
なお、大吹峠の頂上からは、観音道へと通じる「大観猪垣道」がハイキングコースとして整備されています。平成17年頃に、地元の人たちが古い伝承などをもとに掘り起こした道で、延々と続く猪垣沿いに続く山道を歩くコースで、観音道との合流まで約30分のアップダウン。 左:大観猪垣道の途中で見える、七里御浜の展望。 右:猪垣沿いに山道が続きます。