熊野古道
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歩く心得・注意点

  熊野古道は「祈りの道」
 熊野古道は熊野三山へとつながる道、古くは平安時代から、人々が熊野へ詣でるために使われてきた道です。先人達が熊野を目指し、様々な思いを抱きながら歩いてきた「祈りの道」なのです。
 ぜひあなたも熊野を目指す巡礼者の気分で歩いてみてください。そうすることで、熊野古道沿いに残る町石や巡礼碑だけでなく、周りのいろんなものに歴史と文化を感じることができるでしょう。
※一緒に歩きながら熊野古道の価値を教えてくれる、語り部さんのご利用をおすすめします!こちらをご覧ください。

紀伊山地の参詣道ルール
(三重、和歌山、奈良の三県によって作られたルールです)
 世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」は、万物、生命の根源である自然や宇宙に対する畏敬を、山や森に宿る神仏への祈りという形で受け継いできた、日本の精神文化を象徴する文化遺産です。私たちは、このかけがえのない資産がもたらす恵みを、世界の人々がいつまでも分かちあえるよう、参詣道を歩くにあたって次のことを約束します。
  • 「人類の遺産」をみんなで守ります
  • いにしえからの祈りの心をたどります
  • 笑顔であいさつ、心のふれあいを深めます
  • 動植物をとらず、持ち込まず、大切にします
  • 計画と装備を万全に、ゆとりをもって歩きます
  • 道からはずれないようにします
  • 火の用心をこころがけます
  • ゴミを持ち帰り、きれいな道にします



  歩くための地図や交通機関の情報
どんなコースが
あるの?
 伊勢から熊野速玉大社・熊野本宮大社まで、通して歩けるコース紹介です!ガイド(文章)、画像、イラストマップで紹介しているほか、各コースに関連したJR、バスの時刻表も載せてあります。
 → コース紹介
 詳しいことは、掲示板やメールでお問い合わせください。
歩くために
地図が欲しい!
東紀州地域の各コースについて、詳しいイラストマップを用意してあります。プリントアウトしてお使いください。
 → レンタルマップ
宿泊施設を
知りたい!
伊勢から熊野へ、伊勢路沿いの宿泊施設を一覧にしてあります。お問い合わせは各施設へお願いします。
 → お店・宿泊
その他、次のサイトを参考にしてください。
 →りょてん屋(東紀州地域の宿泊施設が、オンラインで予約できます!)
 →くまの古道の宿(くまの宿組合)



  どの季節を歩く?
 熊野古道伊勢路の多くが残る三重県東紀州地域は、温暖な気候です。特徴として
◎全国的にも有数の多雨地域で(特に尾鷲市)、夏場は激しい雨が降り、湿度も高い。
◎冬は温暖で降雪・積雪はほとんどない。(横垣峠、風伝峠、通り峠などは内陸部にあるため、尾鷲よりも寒くなります。)
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
平均気温
6.2 6.5 9.6 14.4 18.1 21.5 25.1 26.1 23.2 18.1 13.2 8.3
最高気温
11.3 11.6 14.6 19.1 22.6 25.2 28.8 30.1 27.3 22.9 18.4 13.8
最低気温
1.3 1.6 4.4 9.5 13.6 18.1 22.0 22.8 19.7 13.8 8.3 3.3
相対湿度
60 59 64 70 74 81 83 81 80 74 70 64
降水量
mm
97.0 132.1 238.1 340.8 343.5 428.2 418.5 494.6 717.6 358.5 261.9 91.6
降雪量
cm
0 0 0 0 - - - - - - 0 0
上の表は、尾鷲測候所ホームページから抜粋。1971年〜2000年の平均数値。

スギ・ヒノキの人工林が多い熊野古道ですが、春にはモチツツジなどの花が咲きます。一番きれいな時期でしょう。ただし、スギ・ヒノキの花粉に反応する人は要注意!
気温が高く蒸し暑い日も多いため、あまりオススメはできません。歩くときには水分を十分に持参しましょう。
古道の所々で、紅葉やススキを見ることができます。いろいろな植物が実をつける季節でもあり、春と同じくらい楽しめます。
三重県東紀州地域は、年間を通じて比較的温暖な気候であるため、冬でも古道(伊勢路)歩きは十分可能です。



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  装備について
標高は一番高いところで600メートル程度なので、重装備は必要ありません。ハイキング程度の装備で大丈夫です。
一般的な
装備
(1)春・秋:長袖シャツ、長ズボン、帽子、羽織るもの、タオル、かっぱ
(2)夏:半袖シャツ、長ズボン(半ズボン)、帽子、長袖シャツ、タオル、かっぱ、十分な水分
(3)冬:長袖シャツ、ウインドブレーカー、長ズボン、帽子、タオル、かっぱ
登山靴は必要ありません。トレッキングシューズで十分。石畳は、履きなれたスニーカーの方が歩きやすいくらいです。
靴下は厚手のものを履いたほうが良いでしょう。
ナップサック 日帰り用のナップサック(20〜30リットル)で十分です。泊りがけで何日間も歩く場合は、それに見合った装備が必要です。(宿泊施設が決まっていれば、何日分かを宅急便などで送っておく方法もあります。)
普段から愛用しているものがあればお使いください。なくても特段の支障はありません。木の棒でよければ、各峠の登り口にも置かれている場合があります。
持ち物 食料、水分(季節にもよりますが、1リットルが目安)、おやつ、地図、時計、携帯電話



  熊野古道4つの心得
● その1 なめてかかるな峠越え
 熊野古道の峠越えは、決して難しい山登りではありません。標高もせいぜい600メートル程度ですし、人並みの体力を持っている人であれば、誰でも気軽に楽しむことができるハイキングコースと言ってもいいでしょう。
 しかし、油断は禁物!その昔は、この道を越えられずに命を落とした人も多くいたのです。その証拠に、古道のあちこちに行き倒れた人々の墓標があります。
 「ただの峠越えだから・・・」と軽い気持ちでのぞむと、思わぬ大けがをすることがあります。苔むした石畳は美しくもありますが、滑りやすい危ない道でもあります。ぼんやりしていると、マムシにかまれるかもしれません。季節によっては、蒸し暑いサウナの中にいるような日もありますし、強く冷たい風に凍えるような日もあります。
 事前にある程度の準備をして、体調を整えて歩いて下さい。また、そうすることでより一層、熊野古道を楽しむことができるでしょう。まとめれば、次の3点になります。

・事前に所要時間などを調べて、計画を立てること。
・体力に自信があるからと言って、無理なスケジュールを立てないこと。
・万一に備えて、複数人で行動すること。


● その2 残していいのは足跡だけ
 改めて言うまでもないことですが、ゴミを捨てないでください
 熊野古道は、その多くが個人所有の山林です。たくさんの人が歩くので、自分くらいいいだろうという気持ちで小さなゴミを捨てると、熊野古道がゴミだらけになります。山林所有者だけでなく、古道のそうじ・ゴミ拾いなどをしている地元の人々の好意を無駄にすることになるのです。
 残していいのは足跡だけです。もちろん、道を外れて山を荒らすなんて、もってのほか。途中でどうしてもトイレを我慢できなくなったときも、出来るだけ汚さないように。


● その3 とっていいのは写真だけ
これも当然のことですが、古道沿いにきれいな花が咲いているから、珍しい植物が生えているからといって、採って持ち帰ってはいけません
個人所有の山林だから、というだけではありません。これは山を歩くときの最低限のマナーです。自分一人くらいなら、という軽い気持ちで植物を採っていると、山から植物がなくなってしまいます。
珍しくても、持ち帰りたくても、写真を撮るだけでじっと我慢。その我慢が、きれいな山を、熊野古道を守るのです


● その4 古道沿いの地域を満喫しよう
 熊野古道を歩くだけでなく、東紀州地域をはじめとする、熊野古道沿いの地域を楽しみましょう。熊野古道が世界遺産として評価されたのは、道そのものの存在だけでなく、その地域全体の「文化的景観」です。地域の食べ物や人々の暮らしぶりを知って初めて、熊野古道のことをより深く理解できるのです。
 →東紀州地域の情報は、くまどこでどうぞ!

温泉につかる:東紀州にはあちこちに温泉があります。歩いた疲れをいやしていくのがオススメです。
東紀州の食べ物を食べる:東紀州には、新鮮な魚をはじめ、美味しい食べ物がたくさんあります。古道を歩くときの昼食として、歩き終わった後の夕食として、お土産として、東紀州の味をどうぞ。
東紀州の大自然:東紀州の売りは、なんと言っても大自然。キャンプ場や釣り場など、大自然に触れる機会はいくらでもあります。

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