● その1 なめてかかるな峠越え |
熊野古道の峠越えは、決して難しい山登りではありません。標高もせいぜい600メートル程度ですし、人並みの体力を持っている人であれば、誰でも気軽に楽しむことができるハイキングコースと言ってもいいでしょう。
しかし、油断は禁物!その昔は、この道を越えられずに命を落とした人も多くいたのです。その証拠に、古道のあちこちに行き倒れた人々の墓標があります。
「ただの峠越えだから・・・」と軽い気持ちでのぞむと、思わぬ大けがをすることがあります。苔むした石畳は美しくもありますが、滑りやすい危ない道でもあります。ぼんやりしていると、マムシにかまれるかもしれません。季節によっては、蒸し暑いサウナの中にいるような日もありますし、強く冷たい風に凍えるような日もあります。
事前にある程度の準備をして、体調を整えて歩いて下さい。また、そうすることでより一層、熊野古道を楽しむことができるでしょう。まとめれば、次の3点になります。
・事前に所要時間などを調べて、計画を立てること。 |
・体力に自信があるからと言って、無理なスケジュールを立てないこと。 |
・万一に備えて、複数人で行動すること。 |
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● その2 残していいのは足跡だけ |
改めて言うまでもないことですが、ゴミを捨てないでください。
熊野古道は、その多くが個人所有の山林です。たくさんの人が歩くので、自分くらいいいだろうという気持ちで小さなゴミを捨てると、熊野古道がゴミだらけになります。山林所有者だけでなく、古道のそうじ・ゴミ拾いなどをしている地元の人々の好意を無駄にすることになるのです。
残していいのは足跡だけです。もちろん、道を外れて山を荒らすなんて、もってのほか。途中でどうしてもトイレを我慢できなくなったときも、出来るだけ汚さないように。
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● その3 とっていいのは写真だけ |
これも当然のことですが、古道沿いにきれいな花が咲いているから、珍しい植物が生えているからといって、採って持ち帰ってはいけません。
個人所有の山林だから、というだけではありません。これは山を歩くときの最低限のマナーです。自分一人くらいなら、という軽い気持ちで植物を採っていると、山から植物がなくなってしまいます。
珍しくても、持ち帰りたくても、写真を撮るだけでじっと我慢。その我慢が、きれいな山を、熊野古道を守るのです。
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● その4 古道沿いの地域を満喫しよう |
熊野古道を歩くだけでなく、東紀州地域をはじめとする、熊野古道沿いの地域を楽しみましょう。熊野古道が世界遺産として評価されたのは、道そのものの存在だけでなく、その地域全体の「文化的景観」です。地域の食べ物や人々の暮らしぶりを知って初めて、熊野古道のことをより深く理解できるのです。
→東紀州地域の情報は、くまどこでどうぞ!
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温泉につかる:東紀州にはあちこちに温泉があります。歩いた疲れをいやしていくのがオススメです。 |
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東紀州の食べ物を食べる:東紀州には、新鮮な魚をはじめ、美味しい食べ物がたくさんあります。古道を歩くときの昼食として、歩き終わった後の夕食として、お土産として、東紀州の味をどうぞ。 |
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東紀州の大自然:東紀州の売りは、なんと言っても大自然。キャンプ場や釣り場など、大自然に触れる機会はいくらでもあります。 |
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