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ホーム >> フィールドレポート >> トレッキングレポート >> 雨上がりの曽根次郎・太郎坂
フィールドレポート

ジャンル: トレッキング | キャンプ | 温泉 | パドリング | ダイビング | 釣り | ツーリング

トレッキング

トレッキング これぞ東紀州!しっとり艶やかな熊野古道
トレッキング レポート 
2006/02/23
雨上がりの曽根次郎・太郎坂 ( 尾鷲市 )
 レポーター: ふ?ちゃん
雨上がりの曽根次郎・太郎坂


雨上がりの曽根次郎・太郎坂 太郎・次郎じゃなくて次郎・太郎?
人の名前?犬の名前?(それは南極物語!)
なんとなく不思議な感じはあるものの、のんびり・ほんわかした名前から「ゆっくり散歩道」をイメージして昨年歩いた。予想外に寒くて長くて疲れてしまい、写真を撮る気持ちも失せ、最後は半泣きだった記憶がある。
今回は、最近サボっていた写真も撮るぞ(撮れる所までは…)!と気合を入れた。

まず、歩き始めてすぐは向井地墓地にある、大きくて立派な六地蔵。今回、語り部さんに教えてもらって初めて知ったが、人間は死ぬと「地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天上」の六道のいずれかに行くとされており、その六道のそれぞれにあって導くのが六地蔵で、路傍や墓地の入口に多く立っているのだそうだ。近くでよーく見ると、お地蔵さんの手にしているものが少しずつ違い、何も持たずに手を合わせている姿もあり、それぞれの道を表しているようだ。お地蔵さんの足元の石にも何やら書いてあるが、はっきり読み取ることはできなかった。今度、他の六地蔵さんもよーく見てみようと思う。
曽根地域の歴史には欠かせない人物「曽根弾正」の五輪塔を見て墓地を抜け、峠道に入ってすぐの関所跡や南無阿弥陀仏と書かれた石塔を見る。ここで「木から昨夜の雨が落ちてきた?」という程度の通り雨。苔むした猪垣や石畳が残り、特に今回は雨上がりで足元も木々もしっとり艶やかで、東紀州らしい熊野古道らしい風情を感じることができる道だ。水溜りはないが滑らないように気をつけながら歩いた。行き倒れ巡礼碑や大きな矢穴の残る石など、見るべきものが多い。足元の石畳も敷石のようなもの、階段状のもの、土止め道と呼ばれるなだらかな坂道に土砂の流出をふせぐために道幅いっぱい一列に石を並べてあるものなど、さまざまに変化する。もちろん土道もある。 雨上がりの曽根次郎・太郎坂
雨上がりの曽根次郎・太郎坂 海の見える絶景ポイントを過ぎて、一里塚。どこの一里塚も、道の両脇にこんもりと土を盛り、片方に松、もう片方に山桜を植えたとされるが、当時植えられた木は残っていない。塚も一見してそれとわかるものは少なく、残っているところでも片側のみのところが多い。曽根の一里塚も長年の風雨で土盛りが流されて低くなってはいるが、形良く両側とも残っている。
古道には時々巨岩が顔を見せる。植林された見通しの良い木立の中に現れる巨岩は、わざわざ運び込まれたはずもなく、作業のじゃまになると除けられる大きさでもなく、太古よりそこに鎮座している。曽根次郎・太郎坂で有名な鯨岩は、本当に山の中に現れた鯨そのものだ。形だけでなく口の下にある(あごの下?)餌を食べるときにビロ?ンと伸びるスジスジもリアルだ。この岩は口を開けていない。正面に近いところから見るとニコッと笑っているようで、数段進んで離れてみると凛々しい姿だ。 雨上がりの曽根次郎・太郎坂
雨上がりの曽根次郎・太郎坂 鯨岩からしばらく歩き、甫母峠の「ほうじ茶屋跡」だ。ここまでが次郎坂。平らなところにお地蔵さんが祀られている。東屋があり、お地蔵さんの屋根、スタンプボックスの屋根と、小さな屋根がいっぱいある。不覚にもパンフレットを忘れたのでスタンプは押せず。休憩の後、太郎坂に出発。ここからは下りのイメージだったが、まだまだ上る。急坂ではないが、この次郎・太郎坂は上りが多い。

足元を見ると広い間隔で敷かれた土止め石と、地面に顔を出している立派な木の根が、敷き詰められた石のようになっている。木の根を踏むのはかわいそうな気がしたが、避けて歩くのも困難なほどたくさんあったので申し訳ないが踏みしめて歩かせてもらった。
朴の木平を過ぎて、海の見える絶景ポイントで昼食。先日歩いた楯ヶ崎の神社や灯台が見える。ベンチも用意してあり、周囲はよく整備されている。おそらくボランティアの方が「景色が良く見えるように」と枝を切ってくれたのだろう。この枝の切り具合というか、残し具合が絶妙だ。「この高さを切るのは大変だったろうなぁ」と感心しながら、ちょっと笑える木を中心に写真をパチリ。 雨上がりの曽根次郎・太郎坂
雨上がりの曽根次郎・太郎坂 いつのまにか下り坂になっている。途中からは急な下り坂になる。この急坂で命を落とした17歳の少年の供養碑があるほどだ。猪垣や猪落としの大きな穴を見ながらも慎重に慎重に降りる。二木島湾に近づくと、耕作地や作業小屋などがあり、人の暮らしの気配を感じる。峠は道路によって寸断されているので道路に降り、ここから絶景ポイントに移動する。二木島湾が一望でき、ベンチや花が植えられた小公園になっている。ドライブ途中に立ち寄って景色を楽しむ人もいた。

我々はここから峠に戻り、二木島の町に降りる。日当たりの良い斜面にはタンポポやオオイヌフグリ?が咲いていて、足元はすっかり春の気配だ。最後の石段は発掘作業中の様子。長い長い冬眠から目覚めた?起こされた?石段が、これからたくさんの人に踏みしめられるのだろう。天気は回復してすっかり日が差している。天気にドキドキしたが、今回も降らず照らずで、良い天気。しっとり風情ある古道歩きを堪能した。
■データ

場所 交通・駐車場など、詳細は下記関連リンクの熊野古道ページのコース紹介を参照

■関連リンク
 熊野古道ページの曽根次郎太郎坂コース紹介
 曽根五輪塔(くまどこ東紀州百科事典)


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