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八鬼山越えに挑戦したいとの勇気が湧いた古道歩き
2005/09/02
猛暑の馬越峠越え
(
尾鷲市 ) |
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8月28日待望の朝がやってきた。今日は、熊野古道伊勢路随一の馬越峠を踏歩の予定だ。外は真夏日で猛暑の山越えとなりそう。地元の方の助言に従い、大型ペットボトルの茶を買い込む。 馬越峠への古道入り口は国道42号線鷲毛のバス停傍にある。前日の晩の酒がまだ抜けきらない虚ろな目で、石畳の山道を眺める。果たしてこの峠を越えられるであろうか。手に持ったペットボトルが嫌に重く感じられる。
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石畳の道は、緩やかに美しい檜の森の中に突入する。足元には大小の石が野面積みで組み合わされている。石積みは表面のみならず、その下にも2段に組まれ、大水にも流されないようにできている。昨年の台風22号の豪雨は、東紀州の唯一の動脈である国道42号線を寸断し、海山町は外界から途絶された。唯一残された出入り口がこの馬越峠であったそうだ。颯爽と歩むボランティアガイドの方が、昨年の台風で崩れた石畳を指差した。ほんの数センチ程の深さの窪みであった。この道は周りの深い檜の森に守られて、数百年の歳月風雨を凌いできた。 そろそろ疲れが出てきた頃に「夜泣き地蔵」に到着した。ここで一息入れる。夜泣き地蔵は赤いべべを付けている。
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木漏れ日の美しさに見とれながら進むと一里塚に到着した。次第に頭がすっきりしてきたのが不思議だ。流れる汗とともに、体のアルコール分も飛んでいっているようだ。周りに高く聳える檜の根元の一面にシダが茂っている。同じように見えるが数十種類に及ぶ植生がみられるそうだ。正月飾りに使う裏白の群生もあった。形の良いものは一枚5円で売れるそうであるが、この急斜面で1000枚採集し5000円の収入を得るのは大変だ。 胸突き八丁の急坂を越えると馬越峠に到着。熊野詣が盛んであったころには、峠の茶屋があった。今は、木のベンチのみである。
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ここから天狗倉山に上る登山道が分かれている。出発時の不安は何処へやら、すっきりとした頭で岩山を上る。途中まるで梯子を登るような急坂があったが、路傍に咲くヤブランの可憐な姿に疲れも吹き飛んだ。頭上を山のような岩が覆う。天狗岩である。上の岩はもっと大きいという。最近ボランティアの方々により新たな南側の登山道が開かれ、山頂をぐるりと周遊できるようになっている。 山頂からの熊野灘の眺めは素晴らしい。360度視界の開けた頂上の岩からは、鳥になって舞い降りたい衝動に駆られる。
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下りは想像以上に楽になっていた。幹周り3メートルの杉、檜の巨木に触り、絶好の写真アングルに曲がり下る石畳を半ば走るように下った。石畳の終わる馬越不動尊の裏にはこじんまりした滝が涼しげな音を奏でている。空になったペットボトルに滝の水を詰めると、次回は是非、西国一の難所といわれる八鬼山越えに挑戦したいとの勇気が湧いてきた。
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場所 |
海山町から尾鷲市 |
交通 |
歩き |
駐車場 |
タクシーで海山町登り口へ |
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