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2003/11/02
大烏帽子山
(
紀宝町(旧紀宝町、旧鵜殿村) ) |
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私と相棒は、その日大烏帽子山へ登るべく必死にルートを探していた。 最初に地元の人から教えられたルートは、滅多に人が入る様子のない藪に覆われた道なき道。山頂までの過酷な藪こぎを想像するとゾッとして即断念だ。もっと気楽に上れる別ルートを探すことで合意。
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次に、ああだこうだと地形図を眺めながら目星をつけたのは「神内神社」。神社の裏あたりに登山口があるのでは、と踏んだのだ。神社に入っていくと、カヌーを積んだ香川ナンバー車の明らかにヨソモノの私達を見て、何やら作業をしているおじさんが「どこ行くん?」と話しかけてくれた。
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大烏帽子山の登山口は神社の前の農道を山手へ伝っていくと、道沿いにあるという。しかも、そこからだとたいした労もなく、30分ほどで登頂が果たせるのだとか。別れ際、「頂上で食べなさいヨ」とみかんをくれたおじさんにお礼を言って、いよいよ大烏帽子山を目指す。既に2時間が経過していた。メジャーな山とは違い、里山トレッキングの楽しみはこんな感じのルート探しにもあるのだ。 余談になるが、この神内神社が穴場的に面白く、ご神体の大きな岩は動物の顔のように見え、何ともユニーク。私は鷹の横顔、昭二は鼻のない象かマンモス、と意見が分かれたが、おじさんによると伊勢神宮と同じ神様を祀る、「由緒正しき」神社なのだそう。かくれんぼのできそうな大きなホルトノキの木があったり(最近テレビに映ったんだよ、とおじさんは嬉しそうに話してくれた)、戦時中は50人もが非難できたという岩窟もあって、小さな神社だけど、見所が多い。楽しい道草になった。お勧めです。
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さて、大烏帽子山。 教えてもらった通り、車で5分ほど神社前の道を走ると登山口を示す小さな看板を発見。いそいそとパッキングをして出発だ。なるほど、特別きつい登りでもなく(おじさん、ありがとう)、手入れもされていて、地元の人が山に入っている事が伺える。 木漏れ日が心地よい、杉の木立の間をぶらぶらと歩いて行くと、あっという間に気が付いたら頂上間際。最後のやや急な斜面にさしかかると、登りはじめてからずっと大きな声で替え歌を歌っていた相棒がいきなり駆け出した。あとを追うと・・
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「おお?!すごい!」 大烏帽子山、362メートルの山頂。とりたてて高い山でもないけれど、山頂からの見晴らしは本当に素晴らしく、ここ数日走り回った東紀州が一望、何処までも見渡せる。広い太平洋の海と紀伊の山々。
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景色に見とれていると、背後からカシュッという聞きなれた音がする。振り向くと、相棒がザックに忍ばせていたビールを開けていた。そうか、最後のダッシュはこのためだったかと、納得。昨日私が歩いた楯ヶ先はあの辺り、オレが登った便石山はあの辺りと、互いの労をねぎらいつつ、相棒はビールを、私はいただいたみかんを楽しんだ。
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