2月24日(日)に三重県立熊野古道センターの体験ツアー「森に学ぶその2〜トチでつくる冬〜」木育の会、尾鷲自然研究会、NPO法人海虹路、熊野古道センター共催)が尾鷲市で開催されました。 これは昨年9月の「森に学ぶその1〜トチの恵み、秋〜」(イベント報告)に続く体験ツアーで、講師に尾鷲自然研究会の七見憲一さん、山本和彦さんを迎え尾鷲市賀田町にあるトチが自生する森で推定樹齢300年以上のトチの巨木を見学したり、小川西町の畑中木工で木工体験を行いました。 当日は、10時に熊野古道センターに集合し車に分乗して国道42号線賀田口まで移動。この日の尾鷲は雪花が散りとても寒かったのですが移動には支障はなく前回は雨で断念した国道42号線下の谷沿いの道からトチの森を訪れました。 途中、講師から森に自生する植物や炭窯の跡などの説明などを受けながら1時間近く谷沿いを登ると樹齢300年とも言われるトチの木の大木に出会います。9月からほぼ5ヶ月ぶりに見たトチの大木はすっかり落葉して太い幹と枝だけになっていました(画像)。 昼前となり参加者とスタッフはトチの大木の下で昼食をとっていると、主催者よりトチの実の粉と尾鷲特産のハバノリを練り込みトチの葉の形をした手作りの「トチの実せんべい」が振る舞われました。味はハッカのようなトチの実の独特の味とハバノリの香りがマッチしおいしかったです。 昼食後はトチの木の幹の大きさを測ってみたり、幹に聴診器を当てて中の音を聞いてみたりしました。 寒い中でしたが参加者は冬のトチの森を十分に堪能し帰りは林道を通って賀田口に戻り再度、車に分乗して木工体験をする畑中木工(小川西町)に向かいました。 畑中木工は尾鷲地方特産のヒノキのほかトチも材料にしてこだわった家具や小物を作っており「尾鷲特産家具博物館」として東紀州まちかど博物館としても公開されています。 畑中木工に到着するとまず商品が展示してあるショールームで畑中さんよりトチを使った家具についての説明を受けました。トチの木は木目がとても美しくそれで作られた家具などはとても自然な趣がありました。 その後、作業場に場所を移しトチの木の家具や小物を作った際に出た端材を活用して一輪挿しを作る木工体験が行われました。ただ、すでに端材は一輪挿しの形に加工されており体験としてはサンドペーパーをかけてなめらかにする作業だけでしたが、トチの木はかなり堅いため参加者もなめらかにするのに一苦労でした。 トチの木を見るだけでなく実際に人の生活に使われている現場が見られてとても有意義なツアーでした。
|
トチの葉っぱの形をした「ハバノリ入りトチの実せんべい」 |
|
いろいろな模様のあるトチの木端材を組み合わせて一輪挿しを作りました |
|
|