「紀南の医療を一緒に考える会」と題し地域医療の在り方について、住民と関係機関(熊野市消防本部・紀南病院・紀南医師会・熊野市)とのタウンミーティングが、熊野市新鹿町の公民館で11月8日午後7時から遊木町をはじめ海岸部近隣の住民も訪れ行われました。 開催冒頭、司会進行の平谷一人・紀南医師会副会長が会合予定を説明し、地域医療について「厳しい情勢下、医療に携わる者だけではなく各地における地元住民の皆様のご理解、ご協力が不可欠」と、開催地元の竹内策一郎・新鹿区長から「この会合を機会に医療を提供する側とそれを受ける住民の更なるコミュニケーションが大切。良き地域医療の環境作りに協力していければ」とあいさつした。 続いて、紀南医師会より井本泰樹・井本医院長が地域医療における現状を話題提供。「研修医制度の改正に伴う、大学病院の医師不足による僻地医師確保の難しさ。医師の大都市部への集中とそれによる地域格差の拡大」等を説明。住民の診療科の専門志向も充分理解出来るが医療機関のコンビニエンス化も必要。当地における限られた医療環境を有効にと話し、紀南病院からは鈴木孝明医師が、同院での取り組み「魅力ある病院づくり」を紹介。「地域における基幹病院として職員自ら今、自分で出来る事は何かを考え、実践」を意識改革など具体例を挙げ説明した。 医師不足問題で感想を尋ねられた同院に研修医として赴任中の藤原僚子医師は、「先月10月に着任し、学ぶことばかりの毎日ですが専門医の不足、地域医療の大変さが都市部と違い身に染みて実感する。県全体の医療環境向上のためにも地域が活性すればと。また皆さんに親切にして頂きすごく良い地方に来ました」と感想を述べた。 同院、金井秀史・地域連携室長が患者さんからの「受診までの待ち時間の長さ」、「受診者(患者)へのプライバシーの確保」など諸々の意見・投書箱に寄せられる問題に病院として順次対応している事を説明した。 熊野市消防本部は、管内の救急搬送件数や搬送先施設、割合を説明。適正な救急利用に理解願った。 その後、地元住民との懇談に移りやはり関心の高い紀南病院に対する質問が集中。「なぜ、医者が来ないのか?診療科が少なくなったのは?」等に対し、同院の鈴木光哉医師、宮向井ちとせ看護部長、中前範子医師が説明。 「大都会の症例豊富な施設に行きたいとの医師個人々の問題でもあります。しかし、研鑽のため一つの地に留まる事は出来ないが、この地の良さを知ってもらいその医師も成長しベテラン、専門医となり再赴任されこの地に来るとこれが学べるというシステムが充実されれば、僻地であっても赴任するのではないか。」等と皆さん熱弁を振るわれた。 引続き、紀南地域母子保健医療推進協議会より小児における現状と取り組みを説明。三重大学医学部小児科 足立医師からも「小児専門医が少なく基幹病院にあっては内科、外科医がしっかり確保されることが重要」と補足説明がありました。 最後に野口孝 紀南病院長が、「現状は非常に厳しいですが、皆が一丸となり光明に繋がる様努力します。住民の皆様ご理解ご協力を願います。」と話した。 尚 この催しは過去4回南郡、熊野市内で行われており、今回を含め今年度中に7回各地で開催が予定されています。 次回は、11月22日(金)午後7時より御浜町尾呂志公民館で開催が予定されています。 ◆関連リンク 紀南医師会 熊野市公式Web 紀南病院 紀南地域母子保健医療推進協議会 三重大学医学部
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