9月30日(日)に三重県立熊野古道センターの体験ツアー「森に学ぶその1〜トチの恵み、秋〜」(木育の会、尾鷲自然研究会、NPO法人海虹路、熊野古道センター共催)が尾鷲市賀田で行われました。 国道42号線の矢ノ川トンネルを熊野市側へ出たところ地元、賀田の人々から“北山”と呼ばれる山は“トチの森”とも呼ばれ樹齢200〜300年のトチの木の大樹が100本ほど見られます。 これは江戸時代の飢饉の際に賀田の人達はトチの実をあく抜きしたものにアワやヒエを混ぜて餅して飢えをしのいだとしてそれ以来、“北山”のトチの木は伐られずに守られてきました。 今回、そのトチの森を訪ね地域における人と木の共存の歴史の一端を学び、自然との共生について考えていただくきっかけとしてこのツアーが企画されました。 10時半に国道42号線「賀田口」に集合(画像)。25名程度の方が参加されました。 ただ、当日は雨で本来、国道下の入り口(画像)から国道の下をくぐって沢づたいにトチの森をゆっくり散策するルートでしたが、危険が予想されるので一旦、車を乗り合わせて林道入り口まで行き林道を使って1km程度奥のトチの森を目指しました(画像)。 今回は尾鷲市自然研究会の七見さんと尾鷲高校の山本先生の案内で林道途中の植物(画像【クロモジ】)等のガイドを受けながら30分程度でトチの木(画像)に到着地元の林業関係の方に説明を受けました。樹齢300年の見事な枝ぶりに感嘆しました。 ※周辺のトチの木(画像) その後、さらに川の方に下ったところにあるトチの木(写真1)へ行きじかにさわったり、聴診器で樹液が流れる音を聞いたりしました。 本来はココでお弁当やトチの実のお菓子を食べるはずでしたが雨のため下山し、古江町の海洋深層水施設アクアステーション(画像)に移動、そこで昼食をトチの実のお菓子をいただきました。 昼食時にはトチの実のお菓子を作っていただいた地元、賀田のみのや製菓店のご夫妻からトチ餅づくりやその手間がかかる工程についてお話しいただきました(写真4)。 地元賀田の和菓子屋では9月に季節限定でこの栃の実を使ったお菓子(画像)が売られるなど賀田の方々とトチの木の関わりについてかいま見ることが出来ました。 昼食後、海洋深層水施設「アクアステーション」(画像)を見学。特に普段は見ることができない賀田沖12.5kmの水深415mから取水して送られてきた深層水を施設内に汲み上げる取水ピット(画像)に入ることができ地下20mにある2台の大型ポンプ(画像)を見学できたのは良かったです。 さらに、アクアステーション近くの旧古江小学校跡(画像)にこの夏にオープンした深層水を使った製塩会社「しお学舎」の工場見学もあり深層水を使った天然塩の付加価値を高めるため製法(低温真空式二段濃縮製法)や品質管理(クリーンルームなどについて教えて頂きました。 ※しお学舎内部(画像)。 雨のため予定のルートを歩くことができず残念でしたがトチの実のお菓子のお土産や急きょ設定いただいたアクアステーション(それも取水ピット)やしお学舎の見学をすることができ満足でした。 なおこのトチの木のツアーは今後も年4回程度行われる予定で次回は2月頃の落葉したトチの森を散策するとのことです。 ※関連サイト 熊野古道センターレポート
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(写真3)トチの実 ※トチの実は賀田小学校の学習用に使いますので採らないで |
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