紀北町海山区白浦地区で大白祭が今年もおこなわれました。7月26日(木)は、宵宮で午後7時30分から、白浦の港でよさこいソーランを中心とした踊りが披露され午後9時には花火が打ち上げられました。 大白祭りの花火は、白浦港の防波堤から打ち上げるため、距離が近く、回りを山に囲まれていることもあって音が良く、人気のある花火大会です。 翌日の午前10時から本宮がおこなわれますが、平成17年(2005年)7月20日(水)の祭りを最後に古式捕鯨を彷彿とさせる鯨船の行事はおこなわれなくなっています。 お宮の方に偶然聞けたお話では、現在は鯨船は港に置かれているだけで、漕ぎだされることはありません。以前は3つの船と宮前に置いてある関船も浮かべたそうですが、最後の木造船は海の博物館に展示されており、現在飾られているのは1994年におこなわれた「まつり博三重」の時に作られたFRP製のものだそうです。木造船と同じ大きさで設計してしまったため、浮力が強く長い櫓と力がないと漕ぎにくく、漕ぎ手の高齢化などから祭りで使うのを見送られることになったそうです。 また白浦に残る鯨のお話をひとつ聞かせていただきました。まだ捕鯨ができていた頃、お寺の住職さんが親子鯨のお告げを聞き、当時の見張り台(現在の白い灯台あたり)まで駆け上って、「鯨を捕ってはいけない」と言いにいったが、時既に遅く、親子の鯨は殺されとらえられていました。その後疫病が流行し、鯨が姿を見せることはなかったそうです。 その鯨の下あごの部分が長く、現在の大白神社鳥居横にあるお寺に置いてあったそうですが、今はないそうです。またお寺の裏に鯨の碑が建てられましたが、その碑は、白浦の入り口にある神社に移されているそうです。 取材をしたのはお昼頃、祭りはすっかり終わり、宮前に置かれた関船から、関船の中で演奏されていたお囃子のテープが流れていました。 この祭りの時に神社前に建てられるのぼりは見事で、見応えがあります。今までは若い衆が人力で立てていたのだそうですが、今年からクレーンを使ったそうです。 ●2005年の大白祭り ●今や貴重な動画かも「大白祭で鯨船行事(2005年)」 ●大白祭り宵宮(2006年)
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