>巨大地震に備えて防災を考える「東海・東南海・南海シンポジウム」が 2007年02月10日(土) 午後1時から 熊野市民会館ホールで開催されました。 このシンポジウムは、三重大学と和歌山大学の主催で、三重県、和歌山県、熊野市、御浜町、紀宝町、新宮市とともに地震や津波への理解を深め、防災意識を高めるための防災シンポジウムです。 熊野市民会館会場では、2階ロビーにて防災関連の資料と展示や津波などの映像資料の上映、無料住宅相談、市民会館の駐車場では地震体験車「そなえちゃん」による地震体験がおこなわれ、講演後にはAEDデモンストレーションなどがおこなわれました。 ◆シンポジウム内 ●発表 ・「東紀州防災ネットワーク推進会議の活動について」内藤一治氏(熊野県民センター県民防災室室長) 三重県としての防災に対する取り組みなどを紹介しました。 ・「東紀州防災ネットワーク推進会議災害時要援護者対象協議会の活動について」濱中康氏(熊野市遊木自主防災会長) 熊野市の漁港、遊木町でおこなっている防災活動、夜間の防災訓練実施の報告、避難のためのマップづくりの取り組みが紹介され、地域全体で取り組む活動事例が紹介されました。 ●パネルディスカッション1 ・「災害を想定して地域の医療・看護を考える」 丸山一男氏(三重大学医学部医学科教授) 櫻井しのぶ氏(三重大学医学部看護学科教授) 中川一郎氏(三重大学国際交流センター客員教授) 平谷一人氏(熊野市立荒坂診療所医師) 長谷川さおり氏(紀南医師会訪問看護ステーションほほえみ看護師) コーディネーター 川口 淳氏(三重大学災害対策プロジェクト室・大学院工学研究科助教授) 紀南地域の医師、災害時に設置される救護所などの現状から災害時には厳しい現状が待ち受けていることは資料からもわかりました。地域住民一人一人の活動や役割を明確にしていき、自分たちで出来ることをきちんとやっていくことの重要性を感じました。高齢化率が高いことや、観光客の多い場合、孤立化の危険が高く、支援に時間を要することが予想され、医療・福祉の視点、情報・通信の視点から災害を想定して地域の医療・看護を考えました。 ●パネルディスカッション 2 ・「災害時における孤立地域の情報発信・受信をどうするか? 佐藤 周氏(和歌山大学経済学部助教授) 豊増伸治氏(和歌山大学客員教授・みさと天文台) 今西 武氏(和歌山大学客員教授・NPO法人和歌山県木質資源開発機構) コーディネーター 此松昌彦(和歌山大学防災研究教育プロジェクト・教育学部助教授) 和歌山県で取り組んでいる事例をもとに、パネルディスカッションがおこなわれました。孤立中山間地での情報発信方法、ハイテクやローテクを利用した様々な取り組みから、情報からの孤立をどう防ぐかなど、この地域でも十分考えられる災害時の孤立化とに対して情報発信・受信をおこなっていく事例は、非常に興味深いものでした。 小学生や中学生も災害時に役立ち活動する場が情報発信・受信に際してもあることが印象的で、先進的な取り組みを知ることが出来ました。 総評として、熊野市民会館800人収容の場に、残念ながら100人程度の出席だったと思われます。災害時に地域間の孤立や情報からの孤立、医師や看護の不足など多くの問題を抱える地域でのシンポジウム、和歌山大学との合同であったのだが、寂しいシンポジウムでした。しかし県境を越え、2つの大学が合同でおこなうシンポジウムが実現したことで、今後様々な取り組みが生み出されて行くことに期待したいと思うシンポジウムでした。 ●三重大学 ●和歌山大学 ●遊木わいわい有志の会 ●みさと天文台
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コーディネーター 川口 淳氏(三重大学災害対策プロジェクト室・大学院工学研究科助教授) |
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