2月3日土曜日、紀北町の西長島地区で「鯛・鯖」の行事が行なわれました。 この日は午後5時頃から大きな袋を下げた子供たちや家族連れが西長島地区にあふれ、町中に「たいさば売って〜」の元気な声がこだましました。 「鯛・鯖売って」の行事は、漁師の豊漁祈願が始まりと言われていますが、子供たちが大漁だった漁師の家に「おすそわけ」のおねだりに行くという行事で、子どもたちは各家々で「たいさば売って〜」と声をかけます。「私にも鯛や鯖を分けてちょうだい」の意味です。 30年ほど前までは、お米菓子(米のポップコーン)やミカンが主流でしたが、最近では袋入りのお菓子が主流になり、西長島地区の各家庭では、お菓子をたくさん買い込んで子どもたちが来るのを待ちます。子どもたちは大きな袋を持ってたくさんの民家をまわり、その袋はもらったお菓子でいっぱいになりサンタクロースの袋のようになります。 親同士や親と地域の人が近況や子どもの成長を報告しあったり、『ちゃんと「たいさば売って」って言うんやで!!』・『ありがとうは?』と「しつけ」の場にもなっています。 この行事に参加できるのは、昔は西長島地区の子供たちだけの「特権」?で他の地区の子供たちは羨ましく思っていましたが、最近では紀伊長島全域はもとより、大紀町や海山区や遠くは尾鷲市からの参加もあるそうです。 「どこから来たん?」、「○○」、「遠いところからよう来たね?!」というやりとりがあります。 取材していて、年々この行事に参加する人が増えているように感じます。私が取材に行った午後6時頃の西長島地区は暗くなった町中に子供達や家族連らの楽しそうな声があふれていました。 この紀州の漁師町ならではの大判振る舞いの行事がいつもでも続いて欲しいです。
動画のURL:http://www.kumadoco.net/movie/detail.cgi?no=219
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町中には大きな袋を下げた子供や家族連れであふれた。 |
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