11月18日(土)夜、紀北町海山区にある囲炉裏のある石工の古民家にて『熊野古道・道中日記講演会』(ふるさと企画舎主催)が行なわれました。当日は三重大学人文学部教授の塚本明氏を講師に招き、先ごろ発行となった『道中日記からみた馬越峠・尾鷲〜170点の記録から〜』の中から、この地域にまつわる記録を紹介していただきました。 紀北町海山区便ノ山には銚子川があり、大水により旅人は足止めとなったという記録も数多く残されているそうです。銚子川流域で馬越峠のふもとにあたる便ノ山は行く道閉ざされた旅人を受け入れた地域として旅人との交流も豊かな地域だったのではと塚本教授の話から感じました。今自分達が住んでいる場所を歴史的に考えたとき、また違った視点で自分達の地域を見直すことができると感じました。 また、道中日記の記録から「天狗倉山から岩屋堂へとまっすぐにつながる道があったのではないか」という塚本教授からの話をうけて、会場からは「90歳の長老からその道のことは聞いたことがある」「若い頃に通ったことがある」という証言も飛び出しました。さらには馬越峠でみつかった陶器の破片を披露してくださった参加者の方もいて、みなさん興味深げに見入るなど、私達の地域の古道に関する交流の場となったことも大変有意義でした。 熊野古道月間イベントの一環での開催ということもあり、会場となった囲炉裏の古民家は囲炉裏の火、燈籠の灯り、ろうそくの灯りなどで演出。囲炉裏の火では海山産あまごを焼きました。囲炉裏の火でじっくり焼いたあまごの塩焼きの味は格別でした。
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便ノ山区長、語り部でもある玉津充さんが便ノ山地区の紹介 |
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