2月20日(月)御浜町商工会で、熊野市文化財専門委員で作家の中田重顕氏が「海と山に生きた人たちの記録」と題して講演をおこなった。 津波で壊滅的な被害を受けても、やはり海岸沿いの故郷に家を建てて暮らす人々。太い海流で結ばれているとされる八丈島と熊野。350キロメートルも離れた2つの地を結ぶ、悲しい出来事。戦争で夫を失い、奥熊野に残された女性たちが必死で生き抜いた貧しい日々。大逆事件紀州組みと呼ばれる人たちと残された家族らのその後の生き方。紀南の地に建てられた新しき村「黎明が丘」。熊野の海と山に生きた人たちの記録が、パソコンによる映像とお話、御浜町の坂本浩子さんによる朗読テープによって紹介された。 講座には地域の歴史や文化に関心の高い人が多く参加していたが、「地元に住んでいても知らない、初めて聞く話だった」という内容もあり、「もっと知りたい。もっと聞きたい。」という熱意が会場にあふれていた。 講師の中田氏は学校職員を経て、平成2年から小説を発表し始め、三重県文学新人賞・日教組文学賞・三銀ふるさと三重文化賞・第10回鳥羽マリン文学賞大賞受賞など、数々の賞を受賞している。 今回の講座は「みえ熊野学研究会」主催で、20日から24日まで「巡回講座ウィーク」と称して東紀州5市町を文字通り巡回して講座を実施している。 20日 御浜町 講師:中田重顕 海と山に生きた人たちの記録(終了) 21日 尾鷲市 講師:中山 充 尾鷲節歌詞考(終了) 22日 熊野市 講師:三石 学 熊野の地震と津波 23日 紀宝町 講師:花尻 薫 庶民信仰 24日 紀北町 講師:小倉 肇 人はなぜ熊野に憧れるのか〜熊野古道の歴史と文化〜
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