18日(水)午後7時45分より東長島公民館で、紀伊長島商工会青年部の「骨髄バンクについての勉強会」と題した講演会が行なわれた。誰でも参加できるとあって会場には小さな子ども連れのお母さんや、年配の方の姿もあった。講師は紀北町紀伊長島総合支所に勤務している宮原孝夫さん。宮原さんは旧紀伊長島町役場職員で、スポーツ指導などの資格を取って町内外で活躍していたが、人間ドックを受診したところ慢性骨髄性白血病と診断され、2年後に骨髄移植を受けて現場に復帰した。現在は骨髄バンク東紀州支部の広報担当部長も務めている。 宮原さんは穏やかな表情と穏やかな口調で、元気だった頃から人間ドックで告知されたときのこと、その後いろいろ考え・悩み、独自の健康づくりと化学治療に奔走した一年間、移植に向けての心の動きも含めた出来事、移植とその後の生活を話した。5人兄弟の宮原さんに「5人いたら9割は適合者が見つかる」と言われながら、なぜか兄弟の誰も適合せず「本当に兄弟ですか?」と医者に聞かれた話や、入院中も体力作りに励んでジョギングを欠かさず、いつもジャージで汗をかいているので「あの人はどこが悪いんやろ?」と他の入院患者から密かに注目されていた話など、会場からも笑いが起きる講演だった。また移植のために入院した時に、自分や病室の様子などの写真を多数撮っており、スクリーンに映し出して移植前後の入院生活の様子を紹介した。髪がフサフサだった頃、断髪式の様子、髪が抜けて見た目が今と同じように(失礼!)なった頃、移植後の拒絶反応で顔がむくんでいた頃、60日ほど運動できずに筋肉が痩せ細ってしまった様子、食事や無菌室でのやり取りについてなど、当然ながらドラマよりリアルに紹介。 骨髄移植を必要としている人に対して、バンクにドナー登録する人がまだまだ足りないことはCMなどでも知られているが、特に東紀州地域では150名程度しか登録者がいないとのこと。紀北県民局保健福祉部からもDVDで登録についての紹介があった。「生半可な気持ちでは登録しないで」という呼びかけと、ドナー登録・献血・活動のお手伝いや資金支援などさまざまな協力の形があることも紹介された。 気持ちが重くなりそうなことも、宮原さんの穏やかな笑顔と口調で恐怖感や抵抗感なく受け入れることができた勉強会だった。 【紀北地域で骨髄バンク登録ができる日】 ☆1/24(火) 海山区矢口浦集会所 10:30〜12:30 〃 上里岡本組 14:00〜16:00 1/25(水) 紀伊長島区社会福祉会館 9:00〜11:00 〃 呼崎会館 11:30〜12:40 〃 片上公民館 14:00〜15:00 〃 町民体育館 15:30〜16:30 2/23(木) ジャスコ尾鷲店 10:00〜11:30 〃 〃 12:30〜16:00 ☆3/2(木) 尾鷲保健所(尾鷲庁舎1階) 9:00〜15:00 ☆印は予約が必要です。3/2以外は献血もできます(予約不要)。 献血・骨髄バンク登録に関する問合せ先 紀北県民局保健福祉部衛星検査グループ(電話0597−23−3450)
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