15日(木)午後5時30分より尾鷲高校定時制会議室で、若者の雇用を考えるシンポジウムが開催された。会場には現に就職を希望している尾鷲高校定時制の生徒、尾鷲高校定時制の生徒や卒業生が働いている企業の事業主、単位制や公開講座の講師、教育関係者、その他様々な参加者が訪れた。 (1)仕事を気持ちよく進めていく上で、大切なことは何か。 (2)求人先と求職先のミスマッチが、若者の就職を難しくしているとの指摘がある。解決方法はあるのか。 (3)尾鷲地域で雇用を増やす手だてとして、どのようなことが考えられるのか。 (4)若者の就業について、企業、地域、学校でどのような連携を図ることができるのか。 の4つのテーマを柱立てにシンポジストだけでなく会場からも発言を募り、熱心に話し合われた。 (1)については、どの企業も「あいさつ」を挙げた。とにかくまず「あいさつ」。学校でも企業でも新人のときはきちんとできているが、慣れてくるにつれおろそかになりがちとか。上級生・先輩・教員・上司らの対応が内部の意欲低下に、外部からはイメージダウン繋がっており、解決の糸口として簡単と思われがちな「あいさつ」を継続・習慣化することの重要性が強調された。 また、「良い点を見つけ、褒める。ただし悪い点はきちんと叱る。陰で話さず、きちんとその人に意見として述べる。」など、企業で実践していることが紹介された。 (2)については、確かに資格など専門性を要求する求人も多いが、特に条件を定めていない企業もたくさんある。自分らしさ・適職に執着しすぎる面があるのではないか。「まず働く」ということが大切。 また、学校での職場見学や就労体験・実習などを増やすことで理解が促進され、ミスマッチを減らせるのでは、との意見もあった。 (3)(4)は会場からも広く意見を求め、「とにかく雇ってがんばってもらう」「人口を増やす」「住みたい地域になる」など、発言者本人の体験や考えを具体的に聞くことができた。また「連携」については『今までは情報が閉ざされていたり、自分の主張や相手への嫉みなど足を引っ張り合ったりするようなことが多かった。実際には始まったばかり。これからも情報を提供しあい、きちんと役割分担をして実際に行動しよう。』としめくくった。 【パネリスト】 黒田 恭史(くろだ薬局 取締役) 藤田 哲雄(紀洋テクノス有限会社 代表取締役) 湯浅しおり(NPO法人在宅ケアグループあいあい 代表・理事長) 溝口 善宏(イオン株式会社尾鷲店 後方総括マネージャー) 浜田 一夫(県教育委員会高校教育室 進路指導グループ主幹) 【アドバイザー】 岡田 吉生(尾鷲職業安定所所長) 橋倉 脩(尾鷲市立尾鷲中学校長) ※今回のシンポジウムは、平成17年度に三重県教育委員会が文部科学省の「学びなおしの機会の提供推進事業」の委託を受け、尾鷲高等学校定時制を研究指定して進められた事業の中で「若年者雇用促進(学びなおし)協議会」を設置し、地域の課題を共有する様々な立場の人たちの意見交換の場として設けられたもの。
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