尾鷲総合病院の産婦人科問題について取り組んでいる「紀北地区に産婦人科の存続を願う会」が、医師不足対策として院内助産所の取り組みを提唱している竹内正人医師を招き講演会を開きました。 病院関係者や住民ら約八十人が傍聴してくれました。 竹内医師は 「北欧などでは正常な妊婦は病院でなくバースセンターで助産師が出産を介助するのが一般的。医師の介助が必要な妊婦との選別ができれば、安全性は変わらない。医師不足も深刻であり、助産師に任せることで医師の負担が減ると導入する動きがあり、自然回帰の流れもあり妊婦にとっては自然分娩はむしろ満足度が高い」 と、院内助産所について述べた。 「五十年から百年ほどの間に日本のお産スタイルが大きく変化してしまった。 本来のお産は立ったり座ったりしてするものなのに、病院出産が増え医療者に都合の良い分娩台での出産スタイルが安全的なものとして定着してきた。 医師不足のなか、また安全性を追求するあまり、すべての妊婦が帝王切開になりかねないような防衛的な出産体制になりつつある」 と、出産現場の現状を紹介し、 「産む側の満足度や快適さなど無視されがち、院内助産所はそういった現状を変え、妊婦が主体的に出産する機会を提供できる」 などと話した。 講演の後、意見交換の時間があり「尾鷲総合病院でも実現可能なのか」の質問に、「難しいと思う。病院と助産所では仕事も違い、今いる助産師ですぐに開設できるわけではない」などと答え、万が一の際のバックアップなど、医師や地域、紀南病院や三重大との連携の重要性など話した。 今後、会としては産婦人科問題はもちろんのこと、内科や小児科など地域医療として尾鷲総合病院全体の存続を考える活動もしていきたいと考えています。
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