三重大学で尾鷲市須賀利浦を対象地とする「地域総合調査ワークショップin須賀利」が実施された。三重大学の教員・学生、海の博物館など各分野の専門家が須賀利に9月9日から12日まで滞在し、産業・地震防災・建築・歴史・食文化など、合宿形式で多面的な調査を行った。 専門分野別に分かれ、建物や構築物を見学したり、町の人に聞き取りをしたりするなど、須賀利浦は調査で訪れた人たちで一時的に人口が多くなり、平均年齢も若返って活気にあふれた。漁協や公民館に町の人を集まってもらい、大勢での聞き取り調査も行なわれた。須賀利公民館の1階和室には、ギュウギュウ詰め状態の女性たち。協力する町の女性のパワーに気圧されながら食文化班の教員・学生による聞き取り調査が行なわれた。漁協でも広い会場にたくさんの人たちが集まり、複数のグループに分かれて聞き取り調査が行なわれた。 12日(月)は、尾鷲市中央公民館で『須賀利再発見、須賀利の明日のために』と題した報告会とミニシンポジウムが開かれた。学生を中心に、濃密な調査直後の「私たちの見た須賀利」のホットな感想も交えた報告が行なわれた。シンポジウムでは、教員を始めとする専門家たちも発表用のスライドを用意する人が多く、須賀利で発見した魅力や「須賀利の明日」への熱い思いを語った。 紀伊長島から木本まで、いくつかあった「海の熊野古道」で唯一残っている須賀利巡航船の存続についてや、当時も美しい景観を楽しむ「観光」を目的として人気のあったルートを航行する「海上タクシー」の提案、空き家の活用方法として「サラリーマンが(でも?)買える別荘」や「月10万円で暮らせる町」としてPRするなど、ユニークな案がたくさん集まり、会場は大きな頷きと笑いとに包まれた。
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ギュウギュウ詰めで熱気あふれる「食文化班」の聞き取り |
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