7月27日(水)19時より海山町上里の「庄次屋」で「紀北おもしろゼミナール」が開催された。この「紀北おもしろゼミナール」は、三重県紀北地域での人々と行政が協力しながら地域づくりを行っている「もてなしのさとづくり」の取り組みで、いくつかある部会の中の「ひとづくり部会」が企画したもの。 講演会場となった「庄次屋」は、講師の柴田洋巳氏が「地元産の木材だけで」とこだわって何年もかけて建てられた自宅だ。家だけでなく倉庫・門・塀・庭のパーゴラなど、あらゆるところに地元材を使用。これらの中には、自ら製材屋に出向き材料を調達して造ったものも多々ある。そしてこの庭を含む空間を、熊野古道散策などをする人たちの休憩場所として解放したり、木材住宅相談所として訪れる人たちに自ら相談に乗ったり見学に活用したりしている。また、電化製品などは極力置かない主義で、エアコンはない。網戸にして夕方の涼しい風を部屋に取り込み、庭で焚物をして、その煙を蚊などの虫除けとした。集まった人たちは講演が始まるまでの時間、配布された団扇(うちわ)で扇ぎながら庭や家の中を見学した。 「ふるさと帰り講座」と題して、この地域で育ち、都会での人生を歩み、今、ふたたび、ふるさとで生活を始めた柴田氏が、これまでの人生・ふるさとの魅力と活用について熱い思いを語った。講演では、その柴田氏の熱い思いをまとめた資料(12ページ)が配布され、その資料を読みながら進められた。 豊かに残る自然の素晴らしさ・地元材の活用から生まれる地場産業の復興や発展について、こだわりの自宅を建てて住み、都会暮らし時代の友人・知人を招いてもてなして体感したことなども交えて紹介。世界遺産登録された熊野古道伊勢路の活用については、行政体制・教育・町づくりなど、多方面から活用を提案。経済効果として期待できるものとして、馬越峠の巨大敷石技術に着目するなど、長年建築業界で営業・経営・指導に携わってきた柴田氏ならではの意見も発表された。途中の休憩時には希望者に手作りのみかんジュースが配られ、思い思いの場所でさわやかな味を楽しんだ。最後は全員で「ふるさと」を歌って講座は終了した。 ※ 今回配布された資料は、推敲・校正を加えた後、報告・提案事項として各所に配布される予定です。
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庄次屋の外観(5月15日、町なか探訪ウォーク時の様子) |
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