11月23日(木・祝)鎌倉時代から八百年続く伝統の祭「大森神社例大祭(どぶろく祭)」が熊野市育生町 大森神社で4年ぶりに開催されました。 このどぶろく祭りは、秋の豊作を感謝し、神社総代が1カ月かけて醸造したどぶろくを、お神酒として神様に捧げる鎌倉時代より続く由緒正しい「どぶろく」のお祭りで、東海地方では伊勢神宮と飛騨の白川郷だけ!という珍しいものです。 11月末とは思えない暖かで汗ばむような陽気に恵まれて、会場にはお昼前から大勢の人が訪れ、どぶろくが配られるお昼を待ちました。(すでにビールを飲んでいる方々も) 祭り当日1ヶ月前の先月(10月)23日(月)から仕込み作業が始まり、初日は地元産コシヒカリを使った、どぶろくの素になる「酒母(しゅぼ、酒の母)」づくりが行われました。どぶろくを作る際は、原料をタンクに入れるのに、何回かに分けて仕込みを行います。先月25日には、その最初の仕込み作業「初添(はつぞえ)」、その2日後の27日には、2度目の仕込みの「中添(なかぞえ)」が行われました。 今年のどぶろくは、やや辛口で口当たりが良く飲みやすく、気をつけないと飲み過ぎてしまう味わいでした。 今年は今までになく出店者も多く、テントがずらっと並び、焼きそばや唐揚げ、柿の葉寿司、あまごの塩焼き、焼きおにぎり、フランクフルトなどなどお酒のおつまみに、デザート系の食べ物もありました。 どぶろくは、1000円で湯呑み(育生町の童心窯)を購入したら何杯でも飲むことができます。 私も久しぶりにどぶろくを堪能してきました。 会場では、ちょうどお昼から法被姿の方々によって仕込みが行われた小屋から運ばれ、湯呑みを持った人にどんどんと注がれていきました。開始と同時に「熊野鬼城太鼓」の和太鼓演奏が始まり、迫力ある演奏が終わると、カラオケ大会が始まり、賑やかな賑やかな祭りとなりました。 ◆関連リンク 2023.11.23 大森神社どぶろく祭り(熊野市育生町)(くまどこブログ) 2018年 どぶろく祭の様子(くまどこイベント報告) 2017年 どぶろく祭の様子(くまどこイベント報告) 2014年 どぶろく祭の様子(くまどこイベント報告) 2013年 どぶろく祭の様子(くまどこイベント報告) 2012年 どぶろく祭の様子(くまどこイベント報告) 2011年 どぶろく祭の様子(くまどこイベント報告) 大森神社 熊野市(旧熊野市、旧紀和町) 熊野の代表的な祭りである古い歴史を持つどぶろく祭で有名な神社です。 育生町の尾川・長井・粉所地区の氏神で、鎌倉時代初期の建保元年(1213年)、地元の南 太夫が奈良・春日神社に詣でた際に神鏡を持ち帰って祀ったのが始まりと伝えられています。祭神は天児屋命(アメノコヤネノミコト)。 承応元年(1653年)7月洪水によって社殿が流失したため、明暦3年(1657年)9月に旧社地より尾川川下流沿岸の地、現在地に新たに社殿を造営したと伝えられています。 明治40年11月15日に官許を得て、11月26日に大字大井村鎮座の高瀬神社(祭神、應神天皇)、並びに大字赤倉村鎮座の丹倉神社(祭神 不詳)二社を合祀、次いで12月12日に当社境内社の稲荷神社二社を合祀したとあります。 神社には、神明造りを始め15種類の建築様式があるが、大森神社の本殿は春日造りです。市内及び熊野地方で春日神社もあるが、大森神社のように古い様式を残した春日造りはありません。 御祭神は、天兒屋根命(アメノコヤネノミコト)、倉稲魂命(ウカノミタマノミコト)、八幡大神、不詳一座とあります。 どぶろく祭りは、毎年11月に行われる町の大きな行事の一つです。米の豊作を祝う祭りで、約800年前から始まりました。神事や余興の他に、3地区から1名ずつ総代が出てどぶろくを作り、氏子や観光客に振る舞う熊野を代表する伝統的な祭りです。(平成26年には243リットルを醸造) 11月22日には「当屋」の清めの水浴びが厳かに行われ、翌23日の大森神社の例祭を迎えます。 祭り当日、9時半頃に「当屋」の出立ちで、棹にさした提灯を掲げ歩きます。10時頃から神事が始まり、その後、どぶろくが参詣者に振舞われます。
|
|