紀州に春を告げる「尾鷲ヤーヤ祭り」が今年もこの2月1日(木)0時の「扉開き」から、2月5日(月)の「例大祭」まで5日間にわたり行われました。 そのうち祭事の一番の呼び物であるこの白装束の男達による迫力ある“練り”は2日晩から始まり、4日までの毎晩19時半頃からその年の祭りの当番となる3つの祷務町(天満町、知古町、向井町)の祷屋に旧尾鷲20町から各町の若者衆がそれぞれ出向き、チョウサじゃ」のかけ声とともにケンカの様な激しい揉み合う「練り」を行いました。 レポーターは練り最終日の2月4日(日)の晩に手伝い町の一つである中井町の一員として弐番祷である知古町で行われた練りに参加しました。
練りが行われる祷屋前では道幅や家屋を練りから守るための丸太で作られた柵である矢来(やらい)の組まれ会場に到着した19時過ぎには既に矢来の外側に若い女性を中心に多くの見物客でにぎわっていました。 レポーターが参加した知古町の祷屋前は昔からの商店が並ぶ路地となっており道幅が狭く、よって、練ると身体が上に浮き上がる感が強く練りがとても盛り上がりました。
そして休憩を挟んで1時間半ほど練りが行われた後、練りを行った一団は尾鷲魚市場に移動し、そこでは祷務町の男衆が素っ裸になって海に飛び込むこちらも更なる呼び物として有名な「垢離かき(こりかき)」が行われ大いに盛り上がりました。 なおこの弐番の祷務町を務めた「知古町」(現在の尾鷲市港町の一部)は残念ながら少子高齢化により今回をもって一旦、今後は当務町を受けないことになり、「知古町」での練りはこの日を持って当面見られないことになりました。 それ故に、例年になくこの日の練りは盛り上がっていたと感じました。
▲トップに戻る <平成30年尾鷲ヤーヤ祭り概要> <日程> ◇2月1日(扉開き・在回り) ・午前0時〜 扉開き神事 (尾鷲神社)【地図】 旧尾鷲20町が尾鷲神社に集まり、本殿前の参道に提灯を立て神のおでましを願う「扉開き神事」が行われます。 ・10時〜15時 由緒祭 (尾鷲神社)【地図】 今年の祭りの当番となる3つの祷務町から祷人(とうにん)、汐撫(しおなで)、弓射(ゆみゆい)、総代(そうだい)、町頭長(ちょうとうちょう)などの役をされる方と神社総代が参列して祭りの無事を願います。 ・18時半〜21時ごろ「在回り」(尾鷲神社出発) 初日(1日)の夜は祷務町が将党(しょうとう)を立て尾鷲魚市場で海に入る清めの垢離(こり)をかいた後、18時半に祷務町をはじめ祷受け町や手伝い町の町衆が集まり19時より各町の高張り提灯を先頭に尾鷲市街を2時間ほどかけて歩きヤーヤ祭りの始まりを告げて回ります。 ▲トップに戻る ◇2月2日〜4日(練り) ・夜19時半頃 ヤーヤ練り(各祷屋前) 2〜4日は祷務町(※)の練り場に各手伝い町が集合し、白装束をした男衆達が激しくぶつかり合います。 (毎晩19時半より開始、場所は上記の関係地図内の緑色のアイコン場所を参照)。 ○壱番祷 天満町 (祷屋・練り会場)壱番祷屋前(おわせ川栄天満工場前)【地図】 ○弐番祷 知古町 (祷屋・練り会場)弐番祷屋前<現在の尾鷲市港町>【地図】 ○参番祷 向井町 (祷屋・練り会場)参番祷屋前(向井ふれあい会館前)【地図】 ■過去のヤーヤの練り(YouTube動画)
■過去ヤーヤの練り【北町】(スライドショー)
※ご覧いただくにはActiveXが必要です(ActiveXが導入できない場合はココをご覧ください) ▲トップに戻る ・20時半頃 垢離(こり)かき ※壱番祷、弐番祷 (尾鷲魚市場)【地図】 各祷務町ごとに全裸になった男衆が海に飛び込む垢離かきを行います。 ※参番祷(向井町) 黒の浜【地図】 参番祷務町の全裸になった男衆が海に飛び込む垢離かきを行います。 ※過去の垢離かきの模様(YouTube動画) ▲トップに戻る 21時頃〜21時30分 尾鷲神社参拝 (尾鷲神社)【地図】 垢離かき終了後、各町が尾鷲神社に集まり参拝します。 ※過去のヤーヤ練りの模様(くまどこイベント報告) ▲トップに戻る ◇2月5日(本祭り) ・昼12時ごろ 大名行列・道中手踊り(林町〜旧熊野街道沿(朝日町・中井町)〜尾鷲神社) 大名行列と各町の道中手踊りが林町通りを出発【地図】。 旧熊野街道を通り尾鷲神社【地図】までを練り歩きます(最終の町が尾鷲神社へ到着するのは午後5時頃)。 ※大名行列・道中手踊りのコースは上記の関係地図を参照してください。 ■大名行列・道中踊り順「曲目」 ○壱番祷グループ 12時出発 (1)矢浜町 「神楽」 (2)祷受け町・林町 「尾鷲節」 (3)祷務町・天満町 「大名行列」 (4)高町 「タッタ」 (5)今町 「北風と太陽」 (6)野地新町 「ボンファイヤー」 (7)新田町 「嗚呼夢神輿」 ○弐番祷グループ 13時出発 (1)祷受け町・川原町 「尾鷲節」 (2)祷務町・知古町 「大名行列」 (3)大曽根町 「男の船祭り」 (4)野地町 「さくらんぼ」 (5)堀町 「Doors」 (6)南町 「木遣りくずし」 ○参番祷グループ 14時出発 (1)北浦町 「神楽」 (2)祷受け町・坂場町 「尾鷲節」 (3)祷務町・向井町 「大名行列」 (4)北町 「ダンシング・ヒーロー」 (5)中井町「恋、弾けました」 (6)新町「海賊の舟唄」 ※過去の道中手踊りの模様(YouTube動画)
▲トップに戻る ・19時頃 大弓の儀 (尾鷲神社)【地図】 尾鷲神社境内の弓場で3祷務町の弓射3人が紀州 小笠原流の古式作法に則り弓射の神事が執り行われます。 ※過去の大弓の儀の模様(YouTube動画)
▲トップに戻る ・20時40分頃 お獅子の出御(尾鷲神社) 神社参集殿より神宝獅子頭を宮司が頭上にいただいて一の鳥居まで歩いていき、提灯を持った町衆も「お獅子じゃ」の掛け声とともに練り歩きます。 なおその後、参集殿に神宝獅子頭が帰られる際、右回りで帰れば豊作、左回りの時は浜方が豊漁だと言われます。豊凶を占う神事のため、若者たちは獅子頭を自分たちの方へ向けようと凄まじい勢いで練り合います。 ※過去のお獅子の出御の模様(YouTube動画)
▲トップに戻る ・21時ごろ 祷渡しの儀式(尾鷲神社) 参集殿で今年の祷務町から来年の祷務町になる祷受け町に祷渡しの儀式を行います(21時半頃終了) ※過去の大名行列・道中踊り、お獅子の出御の模様(くまどこイベント報告) ▲トップに戻る ◆関連リンク くまどこ特集「動画で見る 尾鷲ヤーヤ祭り」 くまどこ東紀州百科事典>>伝統の奇祭 「おわせヤーヤ祭り」 ヤーヤ練り【動画】 天下の奇祭 DVDヤーヤー裸祭り完全収録!(購入は 東ノ紀州屋 東紀州) ▲トップに戻る ■尾鷲20町(※)の提灯図柄
※現在の町名とは異なります。 ■尾鷲20町の現在の位置図
より大きな地図で 尾鷲旧20町 を表示 ※おおむねヤーヤ祭りの祷務町の際の練り場となると思われる箇所にマークを付けています。 ▲トップに戻る
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建物を守る矢来(やらい)と呼ばれる柵にぶつかる練り |
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練りは一晩に何度もおこなわれその休憩の間にはお神酒がふるまわれます |
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矢来の外には多くの観客がつめかけ、練りを見つめます |
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練りが終わると尾鷲魚市場に移動し裸の男衆が海に飛び込む「垢離かき」がおこなわれました |
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