6月3日(土)午前9時30分から、熊野古道周辺の自然や植物、生きものについて学ぶ熊野古道自然学校の第1回として、コケ植物の観察会が三重県立熊野古道センター主催で開催されました。 日本では約1700種確認される中、東紀州地域では732種自生し、その種数と生育量は極めて豊富で、多様さにおいては屋久島に次いで2番目と言われています。 今回の観察会では、旧矢ノ川峠道・南谷上流域で、コケ植物(蘚苔類)について、その分類や生態を山田 耕作氏(理学博士)を講師におこなわれました。 山田 耕作氏は、苔類のうち、アジアのケビラゴケ科の研究を続けてきましたが、近年は南米産の同科の研究も行っており、三重県、愛知県の蘚苔類の分布・保護について尽力している研究者で、伊勢神宮内の苔の調査や、現在までに苔類の分類の論文約200篇を発表している世界で唯一の蘚苔類専門研究機関 公益財団法人 服部植物研究所非常勤研究員でもあります。 苔植物について学ぼうと東京、埼玉など関東からの出席者を含め20名以上の方が熱心に観察をおこないました。 山田先生から、この地域が不便な場所にあったことから荒らされずに苔が残っており、特に今回の旧矢ノ川峠道・南谷上流域には木や木の葉に着生する苔が多数あり、その素晴らしさを聴きながら、ルーペをのぞいたり専用のカメラを使って撮影したり、参加者は熱心に観察をおこなっていました。 今回、筆者も観察会に参加し、普段熊野古道や熊野の山奥に入った時に美しいと見とれていた苔について詳しいことが聞けて、あらためて苔の種類や特性などを知ることができ、とても参考になった観察会でした。 ◆関連リンク 三重県立熊野古道センター 6/3 コケの観察会〜ミクロの世界をのぞいてみよう〜(尾鷲市) 大きな写真で見る(くまどこブログ)
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