11月16日(日)、2011年に休止されるまで20年続いた「かやの木祭り」が「古民家まつりinかやの木」として再生、開催されました。 秋晴れの穏やかな天候にも恵まれ、いつもはひっそりとしている五郷町の更に山奥にある湯の谷には、里山でおこなわれる「古民家まつりinかやの木」に大勢の人が訪れました。 このまつりは、五郷町有志の方々と京都大学・関西学院大学の学生たちによって作られた村学協同委員会が主催で開催され、地域のシンボルである古民家(茅の木館等)の保全について調査研究するとともに、山村体験施設として古民家を活用する方法について検討する活動。 高齢化が進んで限界集落となってしまった地区において、これまでに調査フィールドとして湯谷地区を訪れてきたいくつかの大学と連携のもと、大学生に滞留してもらう山村遊学、村都連携ネットワークの構築等を行う。地元の人と大学との協同で、山の記憶を後世に残すことを目指すプロジェクトの一環としておこなわれました。 まつりが始まる前の午前9時より、刀鍛冶になられ湯の谷で工房を営む角谷(すみや)健一郎さんによる湯谷トレッキング・湯谷名所散策がおこなわれました。 まだピンと空気が冷えお日様が入り始めた山間を歩きながら湯の谷についていろんなお話を聞きながら、石神神社・山の神などを巡り、最盛期には200人以上が住んでいたことや、現在の状況を美しい石積みが残る山里を歩きながら話していただきました。 ちょうどトレッキングから帰り、10時30分から一緒にまつりを開催しようと頑張って来た学生が会場のステージに集まり、イタリア、中国からの留学生とタイの大学から参加された方が母国語と日本語で挨拶し、まつりの始まりを大きな声で告げスタートしました。 林業で栄えた湯の谷ならではの山村体験では、湯の谷の林業家 尾中鋼治さんの指導による木挽き体験がおこなわれ、丸太を昔のノコギリを使って引く体験がおこなわれました。老いも若きもなかなか難しいノコギリを上手く引けずに悪戦苦闘していました。 また、「かるこ」を使って木に登る実演を尾中鋼治さんが5メートル以上の高さまで実演してくれたのですが、尾中さんは今年82歳。とてもその年齢とは思えない身の軽さに見ていた大勢の人たちから驚きの声が漏れていました。 また、昔なつかしい木馬(きんま)が再現され、草の上を子どもたちが滑って遊び、現役で遊んだ方は湯の谷でどの辺りに滑る場所があったのか、遊ぶものが今のようにない時代に木馬でよく遊んだ話しを聞くことができました。 会場では、獅子鍋の振る舞いや、野点の振る舞いがおこなわれ、訪れた人たちは山の食事とお茶のふるまいを楽しみながら、地元芸能の舞台伊勢音頭、熊野木挽き唄、泉州相撲甚句、美空ひばりのモノマネショーなどを楽しみました。 用意されていた300人分の獅子鍋は無くなり、かやの実餅やよもぎ餅も全て売り切れていました。 お日様がぽかぽかと気持ちの良い時間から、少し風が冷たく感じ始めた頃、まつりの最後をもちまきで締めくくり里山のまつりは終わりました。 ◆関連リンク かやの木プロジェクト 2011年 「かやの木祭り」
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角谷(すみや)健一郎さんによる湯谷トレッキング・湯谷名所散策 |
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