4月もあとわずか、山菜採りもぼちぼち終わりつつあります。 それよりも早い約一ヶ月前の3月21日に、熊野文化圏専門学校(URL http://www.humanitec.ac.jp/web/kb/)主催の「猪の鼻探索会〜オオキンカメムシとツバキを見て、春の山菜採りを楽しもう」に参加してきました。14人の参加でした。旧泊小学校の熊野文化圏専門学校に午前9時30分に集合、花尻薫先生の諸注意を受けて、10時過ぎに出発しました。熊野市磯崎町の早苗旅館横から、猪の鼻へ向かいます。 この猪の鼻には、戦国時代に城が築かれ、江戸時代には、狼煙場が置かれていたそうです。また、第二次世界大戦の時、この上空を米軍の戦闘機が通過したために、防空壕がつくられ、300人近い兵士がいたそうです。それらの史跡が現在も残っています。 さて、山菜採りのお話です。今回は数ある山菜の中から(?)、選ばれたのは、ツワブキ、タチスボスミレの花、ヨモギの若葉、これらを歩きながら採取していきました。また、徐福が不老不死の妙薬として探していたのは、実はこれではないかといわれているアシタバ、そして極め付け、天然シイタケが加わりました。猪の鼻灯台周辺ではワラビ採りがはじまりました。猪の鼻灯台から海側に降りていき、降りきったところでハマボウフウを採取、この植物は関東の高級料亭などでよく出されていたものだそうです。 岩がごつごつとした、いわゆる磯場で、楯が崎のミニチュア版(名称は聞いたのですが、忘れました(^^;))を眺めながら、本日の収穫物の調理が始まりました。ワラビはあく抜きが出来ないので希望者お持ち帰りとなり、ハマボウフウはみそ汁の具、他の草花は天ぷらとなりました。ツワブキは茎を天ぷらにしました。さくさくとした味わいで、アシタバはもちっとした感触でした。タチスボスミレは花が小さいのでかき揚げの様な状態で、ツバキの花びらの天ぷらも食べましたが、香りは感じるけれども「う〜ん・・・」食いしん坊の私には、情緒がわからなかったようです。天気は上々、青い海と心地よい風を感じながらの食事、これでビールがあれば最高の気分なのに・・・。と、あとで車の運転をしなければならない事を忘れて、感じてしまいました。いつのまにか、尾鷲から参加されていた海の達人がカメノテを採ってきて海水でゆでて、食べさせてくれました。何年か前に紀伊長島で食べた事があります。確か「せ」と呼ばれていました。これを食べるとなおいっそう、ビールが・・・(^^;)。 今回の目的のひとつであるオオキンカメムシですが、この虫はこの地で集団越冬しています。花尻先生のお話によれば、日本海側からここまで飛来して越冬しているそうです。体長25mm前後のオオキンカメムシの背中の模様はそれぞれ違うようです。ここ、猪の鼻では一カ所で見られましたが、敢えてその場所は教えません。世界とつながっているインターネットでは、どのような人が見ているかわからないからです。いわゆるマニアによって乱獲される事を防ぐためです。ご理解下さい。現在でさえも、オオキンカメムシの越冬する数は減少しているそうですから。 オオキンカメムシもそうですが、食べられる草花のなかで絶滅危惧種に指定されているものもあります。そのような事を聞かされると私たちは、野外に見られる草花はタダだからといってむやみやたらと採取せず、それらを守っていくことも考えていく必要があると感じました。 楽しかったけれど、考えさせられる事もあって、有意義な一日を過ごしました。 レポート:熊遊亭孟々
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