4月3日(日)午後、海山町老人福祉センター(海山町中央公民館隣)で、自然写真家の松本紀生さんが、アラスカの写真をスクリーンに写し出し、アラスカでの話をする講演会が行なわれた。 今回の講演会は、昨年秋の水害で海山町の災害復旧ボランティアに関わった京都外国語大学のボランティアサークル「ハビダット」が主催。被災者に対する「心のケア」として参加費無料で開催した。 松本さんは、それまで写真にも自然にもアラスカにも、特に知識も関心もあったわけではなかったのに、星野道夫さんの写真に大きな影響を受け、日本の大学を辞めアラスカ大学に通いながら自然写真家となった。現在も夏と冬に数ヶ月ずつアラスカに渡ってキャンプをしながら、夏は無人島でザトウクジラを中心にクマなど動物を、冬はマッキンリーで山とオーロラの写真を撮り続けている。 講演会では、ザトウクジラやクマの様子を写真だけでなく迫力ある動画でも紹介。動物たちの息づかいがすぐそこに感じられ、こちらも息を飲みながら映像の世界に引き込まれ、アラスカの川や海にいるような体験ができた。氷河のマッキンリーは同じ場所の写真でも青空・星空・月・オーロラと相手が変わればまったく違った表情を見せ、特にオーロラは光の強さや色・形状によっても、儚(はかな)かったり繊細だったり妖艶に見えることもあり、神々しさや雄々しさを感じることもあった。 また、無人島での暮らしぶりや、マイナス40度の世界で吹雪に耐えながらの待ち時間(天候回復やオーロラ)の過ごし方などは、苦労も冗談のように楽しげに話し、会場からも笑いがこぼれた。 質疑応答の時間は、カメラ・写真のことだけでなく、キャンプでの様子や松本さんの生き方についてなど多岐にわたったが、その1つ1つ、1人1人に丁寧に答える様子に、美しいものを追い続ける松本さんの、純粋で真面目な人柄が感じられる気がした。 松本紀生さんの写真 京都外国語大学ハビタット
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