NPO熊野ふるさと倶楽部では昨年より神川町地域まちづくり協議会(熊野市)と協働で展開している「神川みんなの“がっこう”ぷろじぇくと」の一環でアーティスト・イン・レジデンス展「とある神川のものがたり」をこの8月12日(金)から14日(日)までと、8月16日(火)の計4日間にわたり熊野市神川町にある旧神上中学校で開催しました(入場無料)。 熊野市の奥の里・神川町に、休校してからも神川の人たちが大切にしてきた築60年の旧神上中学校の木造校舎があり、そこで閉め切るのではなく、この“がっこう”に風を通すことで、小さな過疎の「むら」に再びヒト・モノ・コトのめぐり逢いを生み出したいという想いから始まった「神川みんなの“がっこう”ぷろじぇくと」では、モニターツアーの拠点にするほか、体操教室やステンドグラス教室などでこの1年半利用し、様々な風を通してきました。 また同時に、町内の空き家に短期滞在しながら“がっこう”で制作発表をできるアーティストを募集していたところ、今回、飛鳥町出身・オーストリア在住の榎本ひささんが手を挙げてくださり、本企画展を開催する運びとなりました。 誰もが故郷を感じることができる奥熊野のそのまた奥の里・神川町を題材に制作された数々の作品で彩られた、ノスタルジックな木造校舎に期間中大勢の人が訪れ、夏の風が通り抜ける校舎でアートを楽しみました。 木造校舎内の教室、廊下には、えのもとひささんの作品を始め、よこはし茜さん(埼玉)、田村葵さん(京都)、畑中弘生さん(熊野市)、栗須道夫さん(熊野市)らの作品が展示され、訪れた人がそれぞれの感性で作品を眺めていました。 また、講堂には那智黒石の碁石に使用する部分をくり抜いた廃材が詰まれ、神川の里の山々を表現し、古い講堂の中で規則正しくくり抜かれた碁石になれなかった部分の廃材は、この木造校舎と世界を一つにしているような、メッセージが隠されているようにも感じました。 <アーティスト・イン・レジデンス展「とある神川のものがたり」概要> 日程:平成23年8月12日(金)〜14日(日)と、16日(火) 時間:午前9時〜午後3時 場所:三重県熊野市神川町 旧神上中学校【地図】 料金:入場無料 出展者:えのもとひさ、よこはし茜(埼玉)、田村葵(京都)、畑中弘生(熊野市)、栗須道夫(熊野市) 作品(予定):主に絵画、ほか立体作品(神川町の特産・那智黒石をつかったものなどもあります。) [とある神川のものがたり] ここ神川に住んでみて触れた虫の声 うぐいすの声、 川は流れて雲がゆげって いつものびのびてくる草花、 夜のやみの静けさが引き立たせる何かのにをい。 呼び掛けに参加してくれた よこはし茜 (埼玉)、田村葵(京都)さんとの それぞれがこの町を感じ しみこませた作品。 神川出身の栗須道夫、畑中弘生、 身体の不自由をもちながら 描き続ける それぞれの思いを込めた作品。 とあるこの町で出会わせてもらった人々、 この時間、空間。 このしずかに町を見守り続ける旧神上中学校で これらの作品たちにより また何かを学ぶ場が人がつながり会う場が 息づいてくれれば。。。 by えのもとひさ えのもとひさ(榎本ひさ) 熊野市飛鳥町出身。木本高校卒業後、東京の創形美術学校を経て、ウィーンへ。2010年、国立ウィーン美術アカデミー卒業。日本・オーストリアにて展覧会多数。現在、日本へ一時帰国し、熊野市神川町の旧神上中学校「神川みんなの“がっこう”ぷろじぇくと」のアーティスト・イン・レジデンスに参加し、同町の空き家を借りて短期滞在中。
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この度、神川の里に滞在して制作活動されたえのもとひささんの作品を始め多くのアーティストの作品が並びます |
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碁石の型をくりぬいた後の廃材を利用して神川の山々を表現。 |
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