11月3日(水・祝)午前9時から熊野市の二木島町〜甫母町の海を舞台に三重県指定無形文化財にも指定されている「二木島祭り」が晴天に恵まれた秋空の下、開催されました。 この海の祭りの起源は、神武天皇東征の際に、熊野灘で嵐遭った一行を救おうとして地元の住民が早船で向かった様子に由来すると言われており、阿古師・室古の両神社には嵐の折に落命された2人の皇兄(稲飯命と三毛入野命)を祀っているとも伝わっています。また、二木島は古くから鯨漁が盛んな地域であるため、祭りは捕鯨の歴史・文化も色濃く伝えているとも言われています。 そんな長い歴史を持つ祭りも、関舟の老朽化や船上で踊る子供不足のため、今年をもって休止することが報道でも伝えられ、この日は一目見ようと、また記録に残そうとビデオやカメラを持った人が多く訪れていました。 二木島祭りは、 9:00頃 関船が二木島漁港を出発 9:30頃 室古神社にて神事 10:30頃 阿古師神社にて神事 船漕ぎ競争(室古神社→阿古師神社) 11:50頃 甫母港 船漕ぎ競争(甫母港→二木島漁港) 12:30頃 二木島漁港へ到着の予定で進みますが、今日も30分ほど遅れながらの進行となりました。 私が取材をおこなったのは、室古神社から阿古師神社への船漕ぎ競争からで、今回は室古神社にておこなわれた神事は記録されていません。海の上からずっと祭りを見ていました。 この祭りの見所は、なんといっても関船競漕です。 白い関船と青い関船に若衆が乗り、櫓を漕いで競り合います。 勝負がつくと、関舟を極彩色の美しい布で覆い、阿古師神社へと入り神事がおこなわれます。 その後、甫母港へと競争があり、甫母漁港内を船の先頭で赤い着物を着て女装した男の子が踊ります。 港で見ている人から喝采を浴びながら港を出ると、最後の二木島漁港で競争が始まります。 太鼓の音が鳴り響き、勇ましく関舟が進み、多くの見物客を載せた船がそれに続きます。 二木島漁港でも舞を披露し、港いっぱいに広がった人たちの前を船は進みます。 こうして、今年の二木島祭りの取材を終えました。 船を出していただいた甫母の猟師 Yさんは、小学校1年のとき同じように船の先頭で踊ったそうです。 また若い頃は、船を漕ぎ、祭りに参加してきました。各浦々に活気があった頃の話を少し聞きながら、二木島祭りの会場をあとにしました。 船の手配をしてくださったKさん、漁師のYさんに心より感謝いたします。 美しい海を進む、美しく力強い関舟、今回で4回目の見学でしたが、これからもなんとか続いて欲しい熊野の祭りです。 ◆関連リンク 過去の二木島祭り(2007年) http://www.kumadoco.net/news_after/view.cgi?no=902 過去の二木島祭り(2006年) http://www.kumadoco.net/news_after/view.cgi?no=692 過去の二木島祭り(2005年) http://www.kumadoco.net/news_after/view.cgi?no=387
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阿古師神社前、競争が終わると美しい色の布で船を囲みます。 |
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