この10月2日(土)に紀北町海山区の海山公民館において「銚子川シンポジウム」が開催されました。 これは同町海山区を流れ上流から下流まで抜群の透明度を誇る銚子川についてその魅力を再認識し、環境に配慮しながら人々に楽しんでいただくにはどうしたらいいのか、どう守り後世に伝えていくのかを考え、全国に向けて発信するべく開催されるものです。 まず初めに和歌山県白浜町在住で、日本や世界の淡水環境を撮り続けているネイチャーフォトグラファーの内山りゅうさんの基調講演がありました。 内容としてはまず地球上のすべての水の97%が海水で残りのうち2%は氷床で使えずさらにあと1%のうち飲むことができる水はその半分もないという事実からいかにきれいな淡水環境は貴重であることを述べ、特に世界でも日本人ぐらいしか水を煮沸せずに生水で飲む習慣がなく「日本人は飲める水で風呂を沸かしている」と揶揄されるほど日本はきれいな淡水、つまり「川」に恵まれ川の大切さを訴えました。 そこで川の中でも銚子川は別格の美しさで国内でもトップクラス。現代に残っているが奇跡に近いとして地元の方にその素晴らしさに気づき、誇りにしてほしいと呼びかけました。 基調講演の後、普段から銚子川で遊ぶ地元の子どもたちとキャンプinn海山を運営するふるさと企画舎の田上さんと福山さんが壇上にあがり、子どもたちが普段銚子川でどのような遊びをしているのかまた先日行った銚子川の水生生物の調査の結果などを発表しました。 子どもたちの発表の後は、近畿大学総合社会学部教授の久隆浩さんをコーディネーターに内山さん、三重大学生物資源学部教授の原田 泰志さんそして地元から銚子川漁業協同組合組合長の松場 妥さん、紀北町職員で海山遊びの達人の上村 毅さんをパネリストに「川の現状と未来〜銚子川からの発信」をテーマにパネルディスカッションが行われました。 パネリストからは別格に透明度の高い銚子川の魅力について述べられた一方で川に遊びに来る人たちのゴミ問題や平成16年9月に旧海山町を襲った台風21号による豪雨災害で堆積した土砂が完全に除去されず、豊かな川の環境をつくってきた渕などが埋まるなどして以前と川の風景が変わっていること、利水で川への流量が少なくなってきていることなどの指摘がありました。 そして銚子川を守るにはまず地元の方が全国的に稀な銚子川の貴重さをよく認識し、川に関心を持ってその魅力を地域づくりに活かしていくが大事としました。またさらに普段から川で遊ぶ子どもいわゆる「川ガキ」の復活も必要としました。 また当日は会場ロビーでは事前に募集した銚子川に関する作品の展示会や銚子川に生息するアユやウナギ、アユカケ、ズガニなどの入った水槽を展示し来場者の目をひきました。 ▲トップに戻る <プログラム> ○第1部 基調講演 13:35〜 「銚子川〜清みきった美しい水から見えてくるもの」 ネイチャーフォトグラファー 内山りゅう氏 子どもたちの取り組み発表 14:45〜15:00 ○第2部 パネルディスカッション 15:00〜 テーマ 「川の現状と未来〜銚子川からの発信」 コーディネーター 久 隆浩氏(近畿大学総合社会学部教授) パネリスト 内山 りゅう 氏(ネイチャーフォトグラファー) 原田 泰志 氏(三重大学生物資源学部教授) 松場 妥 氏(銚子川漁業協同組合組合長) 上村 毅 氏(海山遊びの達人・紀北町職員) ◆作品展示(ロビー) ・内山りゅう氏作品 ・アユカケ・銚子川募集作品 ・子どもたちの取り組み作品 ・銚子川の生き物 水槽展示 ▲トップに戻る ■銚子川の生き物 水槽展示 の模様(YouTube動画)
▲トップに戻る ■銚子川シンポジウムの模様(スライドショー) ※ご覧いただくにはActiveXが必要です(ActiveXが導入できない場合はココをご覧ください) ▲トップに戻る
>>関連リンク
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銚子川の現状や今後について意見が交わされたシンポジウム |
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基調講演をされたネイチャーフォトグラファーの内山りゅうさん |
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基調講演の後に地元の子どもたちの川遊びなどの発表がありました |
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ロビーでは銚子川に生息するカジカの仲間の「アユカケ」のイラストなど銚子川に関する作品が展示されました |
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また銚子川に生息するアユやウナギ、アユカケ、ズガニなどの入った水槽の展示もありました |
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