7月10日(土)熊野市紀和町「丸山千枚田」で、虫送り&紀和歴史探訪・通り峠ウォークが開催されました。 お米の豊作を願い、害虫をおいはらう行事の虫送りを中心に、紀和歴史探訪や通り峠ウォークをおこない、夏の紀和町を堪能できるイベントとして開催され、虫送りには総勢120名程が参加して、昨年よりにぎやかな虫送り行事となりました。 今年の虫送りは、畦に1,340個の松明を灯し(昨年は1000個)幻想的な風景を作り出しました。 会場には、多くのアマチュアカメラマンやプロのカメラマンが訪れ、暖かな光に包まれる夜の千枚田を撮影していました。 7時15分に丸山神社出発し、鐘と太鼓の音に合わせて大きな声で「虫おくり殿のおん通りよい〜」と、お札を先頭にあぜ道を練り歩いて行きます。 お札を田んぼの一角に立て、時計塔のところまで歩いて来て、最後に大きな声の「虫おくり殿のおん通りよい〜」締めくくって虫送りは終わりました。 そして一番最後に、北山砲2機から花火が発射され全てが終了となりました。 ゆらゆらと揺れる炎の灯りはとても優しく、1,340個の灯りは丸山千枚田の輪郭を作り、本当に美しい風景となりました。 訪れた人の「きれい〜」という声が多く聞かれたのが印象的でした。 【丸山千枚田「虫おくり」行事について】 慶長6年(1601)には2240枚あったといわれている丸山千枚田は、平成5年当時530枚程度にまで減っておりましたが、この貴重な資源を保護し後世に伝えていくことが極めて重要と考え、町では“日本の農耕文化”として位置づけ、平成7年より復元を開始。現在1340枚を保全しています。 その農耕文化の一つとして、「虫おくり」があり、昭和28年まで実際に丸山地区で行われていた行事で、 現在の稲作では害虫駆除にあたるもの。その当時薬品等もなく、なすすべがなかったことから、地域の子供たちが集まり、お寺からお札をもらって、松明と太鼓、鐘などを手に千枚田の中を練り歩き、火と音で害虫を追払うものでした。 そこには農薬に頼る現代の人たちには理解して貰えない、素朴な農民の祈りがこめられていました。 ひと粒のお米でも多く収穫したいという農家の願いは1614年の北山一揆に、この丸山地区からも加わっていたことからわかるように、山間地で農業を営む全ての農家の願いで、この虫おくりも豊作を心から願い行っていたものだと考えられています。 2年前、熊野古道が世界遺産となった記念イベントとして復活した。この行事については先人が行っていた虫おくりを地元の小学生で行い、子供たちの「虫おくり殿のおん通りよい〜」の掛け声とともに千枚田の豊作を願うものです。 ◆今年のスケジュール 14:45 受付→鉱山資料館 16:10 トロッコ乗車 坑道納涼体験 16:40 瀞流荘 17:00 通り峠ウォーク開始→通り峠展望台 18:20 丸山神社 食事休憩 19:15 虫おくり開始→20:15終了予定 ◆関連リンク ●2009年の丸山千枚田「虫おくり」 ●2008年の丸山千枚田「虫おくり」 ●2007年の丸山千枚田「虫おくり」 ●2006年の丸山千枚田「虫おくり」 ●2005年の虫おくりの様子 ●世界遺産登録1周年記念ナイトウォーク「通り峠」レポート
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