熊野古道センターでは、今年度の熊野古道の世界遺産登録5周年を記念して、熊野古道及び世界遺産登録された史跡・名勝の魅力を再発見するべく、広く写真作品を募集いたしました。 今年度は15都府県、86名から395点の応募がありました。外国の方(韓国・オーストラリア)や高校の写真部からも応募があり、着実にこのコンテストの裾野が広がってきていることを感じます。オーストラリア出身の方は今回見事入選いたしました。 今回は熊野古道写真学校長であり、日本風景写真の第一人者、竹内敏信氏に審査を依頼し、最優秀賞1点・優秀賞3点・入選作7点が決定いたしました。 今後は、展示や印刷物への掲載など、これらの写真を利用することにより、全国へ向けて当地域の魅力を情報発信してゆきたいと考えています。 1.作品展開催のお知らせ 今年度熊野古道フォトコンテストの入選・入賞作品計11点を展示します。写真撮影を愛好されている方もそうでない方も、新しい「熊野の姿」をお楽しみください。 ◇期間:平成22年3月20日(土)〜3月31日(水) ◇場所:熊野古道センター展示棟ロビー ◇入場料:無料 2.審査結果(以下、敬称略 作品丸括弧内は撮影地) ・平成21年度の応募テーマ「東紀州の熊野古道と世界遺産」 東紀州(三重県紀北町、尾鷲市、熊野市、御浜町、紀宝町)にある、熊野古道または世界遺産登録史跡・名勝(鬼ヶ城・獅子岩・花の窟・七里御浜・熊野川)を写し、その魅力を表現した写真。*熊野古道は世界遺産登録区域に限りません。 ◎最優秀賞 杉本みつろう光朗:和歌山県新宮市「獅子も見とれる」(熊野市獅子岩、熊野大花火大会) 以上1点 ◎優秀賞 世界遺産賞 藤井徹郎:東京都 「花の捧げもの」(熊野市花の窟) 熊野古道センター賞 関口松男:三重県紀北町 「馬越峠石畳の雨」(熊野古道馬越峠) 東紀州観光まちづくり公社賞 南育孝:三重県熊野市 「熊野川秋祭り」(熊野川) 以上3点 ◎入選(順不同) SIMON ALLEN(サイモン・アレン):三重県熊野市 「Mr. in the sun」(熊野古道松本峠) 山口洋子:埼玉県 「往にし方に繋がる道」(熊野古道馬越峠) 矢口勝士:和歌山県新宮市 「花の岩屋神事」(熊野市花の窟) 杉岡源市:和歌山県新宮市 「獅子岩と花火」(熊野市獅子岩) 畑耕逸:千葉県 「比丘尼衆・灯籠渡り」(御浜町阪本) 宮原義人:三重県尾鷲市 「古道に眠るお地蔵様」(熊野古道八鬼山越え) 山田智一:三重県熊野市 「古道に挑戦」(熊野古道馬越峠) 以上、7点 3.審査委員長(竹内敏信氏)から入賞作品の講評 ◎最優秀賞 「獅子も見とれる」杉本光朗 今までの熊野古道というイメージとは異なった作品です。とても、鮮やかで派手な作品になっています。花火の数と美しさに圧倒されてしまう程です。船の光跡もいいですし、花火を観賞している人々もとても面白いです。フレーミングにいっぱいに収まった花火は、我々の目を圧倒させてくれるでしょう。文句のつけ様の無い素晴らしい作品です。 ◎優秀賞 世界遺産賞:「花の捧げもの」藤井徹郎 花の窟の神をうめあう儀式の象徴が見事に捉えられた作品です。両端にある扇の形がちょうど良く日本の国旗の象徴である日の丸を見せてくれています。まさに日本独特の写真といえます。それを晴天の中で撮影したことがお見事。作者の努力によってできた作品です。 ◎優秀賞 熊野古道センター賞:「馬越峠石畳の雨」関口松男 熊野古道の印象的である石畳をよく捉えています。今回のコンテストで雨の日に濡れた石畳を撮ったものは意外にも少なかったです。その中でひときわ印象的でしたのがこの作品です。ピントがはっきりとはしていないが、この場合は面白いです。はっきりとしていないことが、印象を強めています。光の条件もいいし、とても良い作品です。 ◎優秀賞 東紀州観光まちづくり公社賞:「熊野川秋祭り」南育孝 これは、ある祭りの様子であろう。船が丁度、岩をぐるりとまわっている姿を的確に捉えています。ちょうどいいレンズ幅を使い、遠景には見物の人も入っていて、すべて計算されている作品です。季節は夏の終わり頃、樹々の様子で読み取ることができます。そういうことも考量した写真です。
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