今日、紀伊長島町前山地区の永昌寺で、伝来の三曼荼羅が公開された。毎年2月15日の涅槃会(釈迦命日)に本堂で公開されるもので、この日に合わせて永昌寺ハイキングを楽しむ地元の人々の姿も見られた。訪れた人は、荘厳な本堂内で秘宝の軸を目前にして、住職から曼荼羅についての話や昔の周辺集落の様子の話を聞いた。 「釈迦涅槃図」の中には、後の葬儀の原型となる道具類も画かれており、釈迦の死を嘆き悲しんですすり泣く声が聞こえてきそうだ。また「地獄図」には、鬼に釜茹での刑に処される人々の姿や、老婆の妖怪に衣服を剥がれる姿など、今にも地獄から鬼が出てきそうな、おどろおどろしい様子が画かれている。これらが年月を経てなお色鮮やかで、三軸が掛けられた壁面から妖力を発しているような迫力である。 仏寺の秘宝等は非公開のものが多い中で「永昌寺の涅槃さん」として地域の人々に親しまれている「ふるさと」の文化財である。
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