御浜町を流れる志原川の環境保全活動に取り組んでいる市民団体「あつまろらい」による秋の舟下りがこの10月25日(日)に行われました。これは同団体が志原川の自然の豊かさを実感してもらおうと年2回、春と秋に行っているものです。 当日は午後1時に一万堂に集合。近くの舟乗り場に移動したのち川舟に乗り込みます。 使用する川舟は昔、この周辺で農家が米などを運ぶのに使っていたものを再現したもので、魯ではなく竿で舟を操ります。今回はあつまろらいの清水さんと丸山さんにご案内いただきながら川舟下りを楽しみます。 まず舟乗り場から上流に向かいます。志原川は流れが緩やかでかつ水深が浅いので竿で水面をついていけば特段、エンジンなどの動力が無くても川を上っていきます。 志原川下流は川面の両端をヨシが茂り秋のシーズンはそれが茶色となってとても美しいです。普段、幹線道路からはあまり見えないところを流れているので分かりにくいのですが、川舟からはそれがよく分かり志原川の自然の豊かさを感じます。 ただ今年は先日の台風18号の強風により、いつもは人の背丈ぐらいに茂っているヨシ原も舟乗り場から少し上流のところでは多くが倒れ、見通しが良くなっていました。 30分ほど上流に向かうと県道熊野御浜線(通称オレンジ道路)が見える場所にきます。ここは2年ほど前に河川改修が行われ川幅が拡幅されたところで、同団体などの声により通常のコンクリート護岸ではない自然に配慮した改修ではあるのですがやはり以前とは景色が異なり生態系などに影響が出ているとのことでした。 さてそこで川舟は引き返し、河口に向かって川を下って行きます。志原川ではヨシ原のほか木々も多く特に希少となっているハマナツメの木が多く群生しています。 さて、川を下り一万堂の下、舟乗り場を経て20分ぐらいすると川が急に開けて産田川と合流する大前池に出ます。ここで産田川の方に向かって舟を進め、「あつまろらい」が里山遊びなどイベントを行っているクヌギ林に向かいます。 クヌギ林に上陸すると、ここで休憩しがてらアケビの木を見つけて味見をしたり、過去にここでコンサートなどのイベントを行った話を伺ったりしました。 その後、大前池から河口に向かって舟を進めます。途中、ノスタルジックなJRの架橋や旧志原橋の水門の下くぐるなど普段なかなか見られない光景を見ながら、七里御浜海岸近くの河口まで出ました。 志原川など七里御浜に出る河川は熊野灘の荒波で押し返されるため水が流れにくくそれが大雨の際に下流で浸水被害を起こす原因となっていましたが、志原川河口では景観に配慮しながらこのほど沖合に人工リーフや河口の出口を波の影響が受けにくい場所に誘導したりするなどの取り組みが行われこれがうまくいけば、志原川で河川改修をしなくても浸水被害がなくなるのではとのお話しを伺いました。 さて河口から上流に戻る途中、旧志原橋近くでウナギ漁をされている方を見かけました。これは川にウナギを捕まえる筒を沈めて引き上げるツンツン漁と呼ばれる漁法で、釣果を見せて頂くとまるまる太った天然うなぎが5、6匹いました。やはり天然うなぎはおいしいとのことです。 こうしてもとの船着き場に戻り、およそ2時間半程度、志原川の下流を満喫し自然の豊かさや普段は味わえない景色を眺めることができ大満足でした。 あつまろらいでは志原川で年2回、春と秋に川舟下りをおこなっています。またウナギの夜釣りなどのイベントも行っています。是非、ご参加下さい。 ■今回の川舟ルート(凡例は以降のYouTube動画の撮影付近を示します)
より大きな地図で あつまろらい志原川川舟ルート を表示 (1)川舟の模様【YouTube動画】(スタート地点付近)
(2)川舟の模様【YouTube動画】(一万堂の下付近)
(3)川舟の模様【YouTube動画】(1回目の休憩地点<オレンジ道路との合流付近>※河川改修が行われた場所)
(4)川舟の模様【YouTube動画】(一万堂の下から大前池の合流付近)
(5)川舟の模様【YouTube動画】(大前池から2回目の休憩地点まで)
(6)川舟の模様【YouTube動画】(大前池から志原川河口まで)
(7)川舟の模様【YouTube動画】(志原川河口からJR架橋下まで※川漁師の釣果)
(8)川舟の模様【YouTube動画】(JR架橋下からゴール地点まで)
>>関連リンク
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一万堂から上流に行ったオレンジ道路との合流地点。2年ほど前に河川改修が行われ通常のコンクリートとは異なり多自然型の改修で施工されたと言えど川幅が広くなりすぎ環境や景色が変わったと言います。 |
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志原川や大前池では日本でも紀北町の船越についで群生している希少種のハマナツメが見られます |
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ツンツンと呼ばれる仕掛けで取れた志原川の天然うなぎ |
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