地元住民でつくる想い出の矢ノ川峠の会と三重県立熊野古道センターではかつて矢ノ川峠を運行し、紀勢本線全通と同時に廃止された国鉄バス紀南線の廃止50周年を記念してウォークイベントを開催しました。 当日はまず熊野市側の大又にある「旧営林署貯木場跡地」に集合。参加者は50名を越えキャンセル待ちも出るなど大盛況でした。 そこから皆さん貸し切りバスに乗り込み尾鷲市側の千仭橋(せんじんばし)に向かい、そこから矢ノ川峠を越えて集合場所の大又まで歩きます。 前日の天気予報で、午前中の降水確率が70%と雨降りが予想されましたが絶好の天気で緑に囲まれた山道を気持ちよく歩くことができました。 なおかつてはバスが行き来していたこともありまた現在でもなお林業や狩猟、電波塔などの管理するため使われているため山道と言えど尾鷲市側の千仭橋から矢ノ川峠までは途中、手堀りのような5つの遂道(トンネル)を経て車両は通れる広さの道になっていました。 午前中は矢ノ川峠に向かって途中、一番の難工事で架橋工事の際に犠牲者も出た南谷記念碑やループ式になっている珍しい「矢ノ川遂道」、眼下に賀田湾を一望できるポイントなど巡ります。 そして歩き始めて3時間。およそ9キロ歩いた12時ごろに矢ノ川峠に着きました。皆さん早速、日陰で昼食をとり疲れた体を癒しました。 その後、矢ノ川峠にはかつてここにあった茶屋の女将・稲田のぶへさんが眠るお墓があり、皆さんでお花を供えました。さらにかつての国鉄バスの運転手や添乗員の方のお話しを伺ったり、国鉄バス(旧省営バス)紀勢線の歌を合唱【動画】したりしました。 その後、矢ノ川峠から熊野市側に降りていくとそれまでと状況が一変します。ところどころで道が崩れ、橋が落ち、落石がごろごろしていたりと人が歩くのがやっとの状態でとても車が入れるような道ではなくなります。 今回歩いてみてやはり道として続くためには日々それを維持する人々の努力が必要なのだと実感し、かつて昭和11年の営業開始から廃止になる昭和34年まで24年間無事故で運行された国鉄バスの偉業が偲ばれました。 ◇コースマップ(前半)
より大きな地図で 090712矢ノ川峠ウォークコース図<前半> を表示 ◇コース図(後半)
より大きな地図で 090712矢ノ川峠ウォークコース図<後半> を表示 ■想い出の矢ノ川峠ウォークの模様(YouYube動画) ■想い出の矢ノ川峠ウォークの模様(スライドショー) ※ご覧いただくにはActiveXが必要です(ActiveXが導入できない場合はココをご覧ください)。
>>関連リンク
動画のURL:http://www.youtube.com/watch?v=eiMSeJy18bA
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矢ノ川峠ではかつての国鉄バスを支えた方々のお話を伺いました |
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熊野市側に降りると落石や土砂崩れなど車が通れる状態ではありませんでした |
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