大規模災害発災時に当地方では、がけ崩れ等で孤立する可能性が高い地域が多く、救急活動に多大な支障が想定されることから、医療従事者以外でも一般の市民が応急救護班としての活動が出来る様、人材育成を目的とした紀南災害時医療救護普及会(会長・山本訓生紀南医師会長)主催の災害時医療救護研修会が、11月29日(土)午後、熊野市保健福祉センターにおいて開催されました。 同研修会は熊野市明日を拓くふるさと創生協議会の「明日を拓く人づくり事業」の補助を受けた全4回からなる研修構成で、今回は初回の10月18日に続く第2回目の開催となり、地域における中心的役割を担う自主防災会の会員や消防団員をはじめ、救護活動に関心のある一般者を含め約70名が参加しました。 はじめに、平谷一人医師(荒坂診療所長)が「紀南医師会の防災体制と救護班」をテーマに講演。「未曾有の災害発災時、市内至るところ交通網も寸断、大量の傷病者が出て到底既存の医療機関だけでは救急対応は出来ない」とし、阪神・淡路大震災の際には、家屋の倒壊等で瓦礫の下敷きとなった住民を地元の消防団と近隣住民が助け出した事例を紹介。 孤立された地域で且つ限られた医療資機材の中、一人でも多くを救命するには、地域住民の皆さんによる協力が救護活動の大きな意義を示すと呼びかけた。 続いて東守久薬剤師(東薬局長)が「救護班の薬剤・医薬品説明」と市内各地に配備されている薬剤の状況を説明し、内科医の立場として大石知実医師(大石医院長)が「応急処置法〜内科〜」、同じく整形外科医として島崎和久医師(島崎整形外科医院長)が「応急処置法〜整形外科〜」が、それぞれ専門分野から見た対応を講演。 その後9つの班に分かれ、医療機材がほとんどないとの仮定の中、副木となるを代用品や三角巾を用いての固定方法を島崎医師の指導のもと学習実習を行いました。 次回の開催は、来年1月31日(土)午後二時から同じく熊野市保健福祉センターにおいて行われる予定です。 尚、世話人の平谷一人医師によると「来年度は御浜町や紀宝町でも実施し、熊野市、南牟婁郡合わせて約200〜300名の人材を育成したい」と述べられました。 ◆関連リンク 紀南医師会Web 熊野市Web
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実習指導する島崎和久医師(島崎整形外科医院長)(右から3人目) |
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