7月12日(土)は、夏日となりいっきに暑くなった熊野市紀和町で世界遺産登録4周年記念イベント、熊野古道通り峠ナイトウォークと田の害虫を追い出す虫送り行事がおこなわれました。 熊野古道通り峠ナイトウォークには、21名が参加し、語り部の方と一緒に午後6時頃、通り峠の石畳を歩き、丸山千枚田が一望できる展望台から夕日を眺め、約1時間20分ほどかけてナイトウォークを楽しみました。 丸山神社へと到着した古道ウォークの参加者と入鹿(いるか)小中学校の生徒、そして地元の参加者50名ほどが一緒になって、昔続けられていた田んぼの害虫を追いやり、五穀豊穣を願う虫送りの行事が始まりました。 鐘と太鼓の拍子に合わせて「虫おくり殿のおん通りよい〜」の掛け声で歩いて行きます。今年は提灯の他に松明が前後に加わり、丸山神社から大石へと歩き、オーナーの田んぼが並ぶあぜ道を進みました。 従来の虫送りは、火で虫送りをおこなうもので紀北町海山区の船津地区・上里地区の伝統行事「田の虫おくり」では子どもたちも松明を持ちますが、丸山千枚田では地元以外の人の参加もあり、火の取り扱いが危険なため提灯を持って歩きます。 丸山千枚田の虫送り行事は、熊野古道が世界遺産となった1周年を記念して復活しました。多くのスタッフの努力に支えられ、田んぼのあぜ道には竹の筒の中でロウソクの明かりがともり、大石の前ではかがり火が千枚田のシンボルである岩を赤く浮かび上がらせ、幻想的な風景を作ります。 そんな美しいところだから時間がかかっても、いつか昔ながらの虫送りの行事を再現してほしいと思いながら、夜の涼しい風が吹き始めた千枚田を後にしました。 ◆関連リンク ●2007年の丸山千枚田「虫おくり」 ●2006年の丸山千枚田「虫おくり」 ●2005年の虫おくりの様子 ●世界遺産登録1周年記念ナイトウォーク「通り峠」レポート
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