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2005/05/05
定置網漁、網引き上げ見学
(
紀北町(旧紀伊長島町、旧海山町) ) |
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5月5日(祝)海山物産が主催する「みやまで遊食」イベント「漁師網引き上げ見学と漁師汁」が海山町の白浦で行なわれた。この日の集合は道の駅海山に朝4時!白浦漁港に移動して乗船。名古屋方面からなら、国道42号線を通り、海山町に入ってしばらくの書店手前のT字交差点を県道734号(島勝・矢口方面)へ左折。案内板にしたがって白浦方面へ左折し、トンネルを抜けてすぐの漁港が白浦漁港だ。辺りは真っ暗で、山影が確認できる程度。漁場に着くと、すでに1艘の船が待機していた。笛の合図で2艘の船の漁師さんたちは作業を開始した。言葉は統率する植村さんの指示が少々程度で、笛の合図と状態を見ながら息の合った作業。ロープを巻き上げたり緩めたりするのだが、そのロープもいつの間にか種類が変わっていたり、気がつくと正面にいた向こう側の船の位置が変わっていたり、2艘の船の距離が縮まっていたり・・・。参加者は漁の邪魔にならないように、スタッフや漁師さんたちの指示で船上を移動する。漁の魚を狙って、海鳥たちも近くで待機中だ。
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見学する参加者の目にも魚の姿が確認できるようになると、タイミングを見計らって網引きも体験させてもらえた。徐々に魚の姿がはっきりして魚の種類も特定できるようになってくる。サメだ!シュモクザメ。動きが速い。なんとマンボウの姿も。ブリ?ワラサ?天然の赤いタイがたくさん見える。大漁だ。魚の種類も豊富。漁師さんたちの動きが慌ただしくなる。大きな網で大物をすくい上げると、手際良く種類別にこれまた大きな容器に納めていく。売り物にならない物は海に捨てる(戻す?)が、時々サービスで参加者たちによく見せてくれたり、船上に引き上げてくれたりもする。参加者たちは大興奮で、近づいて触ったりビデオや写真に撮ったり大忙し。
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大興奮のうちに漁は終了し、ふと見ればロープやその他の道具類はきれいに片付いていた。漁師さんたちの手際の良さにも感動した。集合して港を出るときは真っ暗だったのに明るくなっている。美しい日の出で、あたりはオレンジ色に染まっている。波も穏やかで船酔いする人は誰もいなかった。出港時には暗くてシルエットしかわからなかった山や町、港の様子もよく見える。大漁で参加者も意気揚々の帰港だ。
陸に上がると、まずはマンボウの解体ショー。硬くて厚い皮を触ったり、白さに感心したり、腸の虫まで見ることができて驚いたり・・・。もちろん見るだけでなく、食べる部分を切り分けてもらった。後日、マンボウはガンになりにくい体を作る貴重で高級な食材として、テレビ番組で紹介されていた。
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場所を移して模型を使って定置網の説明。その場所は参加者みんなが一目見て「素敵」「絶好のロケーション」と絶賛した、今は休校になっている白浦小学校。前は海の青、後ろは山の緑、白い木造校舎が良く映える。中に入ると懐かしい雰囲気が漂う。階段も木製で歩くたびに音がする。「愛知万博で人気の『さつきとメイの家』みたいだね」。
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模型を見ながら、船上ではわからなかった網の構造や漁の仕組みの説明を聞く。決まった場所で網を仕掛け、自分自身で網に入り込んだ魚を獲る。この定置網漁は、網に誘われた魚もすぐに捕まえられるのではない。実は逃げるチャンスがあるのだ。したがって網に誘われた魚の三分の一程度しか漁獲量はない。効率が悪いように思えるが、魚群を追い、海底を荒らして一網打尽にしてしまうのではなく、環境への悪影響の少ない、より持続可能な方法だという。
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東紀州地域は海にも山にも恵まれているが、漁獲量・漁獲高とも低迷し続けている。漁業従事者の平均年齢は急速に高齢化しており、後継者不足に悩まされている。船・網など漁の設備は数千万円に及び、人件費・燃料や網の修理代など、維持・継続の費用も莫大で、漁業中心の地域では、地域そのものの死活問題となっている。
東紀州地域では、海山町の速水林業が国内で最初に認証を受けたことで、「FSC(Forest Stewardship Council):森林管理協議会」については注目され周知されつつあるが、この漁業版で「MSC(Marine Stewardship Council):海洋管理協議会」という機関があるとのこと。WWF(世界自然保護基金)によって設立され、水産資源の管理に対して責任ある漁業を行う事業者を管理基準に基づき認証する。この地が「MSC」の認証を受けて漁業など水産関係でも先進地になり、海も山もいつまでも豊かで、元気な命や経済を育むようになって欲しい、そのためには消費者である我々がもっと勉強しなければ・・・と思った。
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すっかり明るくなり、お腹も空いてきた。場所を移動して朝ごはんだ。猟師さんたちが分けてくれた魚を、漁師の奥さんたちが料理してくれた。お刺身は、天然のタイ・透き通るイカと車エビ・珍味のマンボウ!イカの炊いたのは味噌味でワタも入っていたのかコクがあって大人気。タイの塩焼き、漁師汁(タイ・イカなど)、魚ご飯(タイ!)と超豪華。美味しくて美味しくて「美味しいね?」をひたすら連発しながら食べる食べる・・・。美味しく食べられる健康と、海と、漁師の皆さんと、料理をしてくれた皆さんと、こんな機会を企画してくれたスタッフと、たくさんの人に感謝した、楽しい一日だった。
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場所 |
海山町白浦漁港 |
交通 |
国道42号線から県道734号(島勝・矢口方面)へ。白浦方面へ左折し、トンネルを抜ける。10分程度 |
駐車場 |
漁港に停められますが、漁師さんに確認してみてください。 |
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