馬越峠登り口まで |
相賀駅の前にある道を西の方(国道42号の方向)へまっすぐ歩いていくと、信号のある小さな交差点があるので左へ。この交差点にあるのが相賀神社です。立派な本殿と両脇には大きなスギの木が立っています。相賀神社を過ぎて、旧家の残る街並みを見ながら道なりに歩いていくと、間もなく銚子川の堤防に出ます。この堤防に出る直前、右手にある真興寺には「はまぐり石」と呼ばれる道標を兼ねた観音様があります。ユニークな形なので、ちょっと立ち寄って見て行きましょう。
銚子川の堤防に出て右へ進むと、すぐに国道42号に合流。ここから国道の歩道をしばらく歩いていくと、道の駅海山が左手にあります。トイレ、食堂、売店などがあるので休憩などに最適です。車も停めておけるので、自家用車を利用する場合はここを起点にしても良いでしょう。相賀駅からゆっくり歩いて30分ほどです。
道の駅から引き続き国道を歩きますが、ゆるゆると上り坂を上っていくと、10分弱で左手に馬越峠の登り口があります。
※ちなみに、かつての参詣道は、国道を歩かずに銚子川沿いにそのまましばらく歩いて、銚子川を渡って便の山を通り登り口へと至っていました。登り口と国道をはさんで反対側の斜面には、かつて熊野街道があったことを示す石畳道が残っています。 |
馬越峠頂上まで |
登り口の付近は、平成に入ってから作られた真新しい石畳道ですが、少し上ったところからは、江戸時代に整備された石畳道になります。登り口から上り坂が続きますが、平坦な道と上り坂が交互に出てくるように道が付けられています。見事な石畳道が、手入れされたヒノキ林の中を続いている景色は、熊野古道を代表する景色としてよく紹介されています。
夜泣き地蔵、一里塚跡といった史跡を過ぎると、林道に合流。そこから再び石畳道へ入って、10分ほど歩けば峠の頂上に着きます。かつて茶屋があった峠の頂上には、避難用の小さな小屋と可涼園桃乙の句碑が立っています。避難小屋のすぐ南側からは、尾鷲市街やその先に続く八鬼山などが見えます。 |
天狗倉山頂上まで |
峠頂上からは、そのまま尾鷲市側へ下りる峠道(南)・便石山への登山道(西)・天狗倉山へのハイキングコース(東)の3つの道があります。案内標識があるので迷うことはないでしょう。
天狗倉山へは、峠の頂上から30分ほどの道のり。急な上り坂が続く道なので、休み休み歩いてください。ここは熊野古道ではありませんが、天狗倉山からの展望が良いので、人気のハイキングコースになっています。なお、自然林の中を通る部分が多く、季節によってはスズメバチが飛んでいるので注意して下さい。
急な上り坂の階段を過ぎてゴロゴロした岩場を越えると、頂上に到着。頂上からは尾鷲市街・尾鷲湾が一望できます。頂上にある巨岩に登ると、海山町側の良い景色が見られます。
※ちなみに、天狗倉山から尾根沿いにアップダウンを繰り返しながらさらに40分ほど歩くと、「オチョボ岩」という眺めの良い大きな岩があります。余裕がある人は、ここまで足を伸ばしても良いでしょう。 |
中井町通り(尾鷲駅)まで |
天狗倉山から峠に戻って、尾鷲市側へ下ります。
尾鷲市街へ続く峠道も、見事な石畳道。南側の斜面で日当たりが良いのと、特に峠の頂上近くは自然林を通る部分が多いので、海山側からの道とは雰囲気が随分違います。
やや急な下り坂を一気に下って桜地蔵が出てくると、尾鷲側の登り口である馬越公園はもうすぐ、峠の頂上から30分ほどでサクラやツツジがきれいな馬越公園に着きます。特に4月上旬のサクラの時期はきれいですので、花見がてら休憩していくのも良いでしょう。
そこから先は舗装された急な下りが続き、尾鷲市街を眺めながら墓場を抜けると、津波供養塔、徳本上人名号碑などの史跡があります。平坦な道になって民家の間を抜けると、間もなく川(北川)沿いの道に出ます。道の正面には「左 くまのみち」と書かれた道標が立っています。
右へ少し歩くと、樹齢1000年を越える巨大なクスノキがある尾鷲神社があるので、立ち寄っていくのも良いでしょう。道標に従って、道標のすぐ左にある橋(北川橋)を渡って中井町通りへ入り、尾鷲市街を歩きます。
※ 尾鷲駅へ
中井町通りをしばらく歩いて旧農協の建物があるところで右手へ曲がって真っすぐに続く緩やかな上り坂を歩いていくと、尾鷲市駅前にある交差点に出ます。そのまま直進すれば尾鷲駅はすぐそこです。なお、尾鷲駅口のバス停は、駅前の交差点を左へ進んでスーパーの前にあります。 |
矢浜の道標まで |
中井町通りを真っすぐに歩いていくと、広い2車線道路(紀望通り)にぶつかります。ここで左へ進むと、第三銀行のある交差点がすぐにあるので、ここで右へ入ります。(※紀望通りに出る手前で左へ曲がってまたすぐに右へ曲がるのが旧街道です。)
銀行の交差点で右へ入ってから、しばらく一本道です。尾鷲で林業を最初に始めた土井家の立派な門構えなど、旧家の残る街並みを楽しみながら歩けますが、車もけっこう通るので注意してください。しばらく歩いて中川にぶつかる手前に「林町の庚申」が左手にあります。林町の庚申を過ぎて中川に架かる橋を渡ってJRの線路をくぐってすぐ、「熊野古道 矢浜街道」と書かれた行灯が左手に立っています。行灯の立っている場所には矢浜の道標やかつて橋として使われていた「袖かたし橋」などが置かれています。 |
宝篋印塔まで |
道標を過ぎて間もなく、左手の民家の壁に「やのはま道」と書かれた小さな木の案内標識がついています。標識を無視してそのまま真っすぐ歩いてもいいのですが、この案内標識に従って歩いていくと、かつての熊野街道を歩くことができます。
標識に従って左へ曲がり、少し歩いたところで右に入る幅1mほどの道があるのでこれに入ります。畑や庭先に続く細い道を、標識に従って歩いていきます。農村だった矢浜らしく、雁木のある古い家のつくりや灰窯などが残っています。
標識に従って歩いていくと、「やのはま道」と彫られた石にぶつかります。かつての参詣道はそのまま直進して八鬼山越えの登り口まで続いていたそうですが、東邦石油という企業が石油タンクなどを作るときに失われ、今ではそこには道がありません。石の向こうに見える山が八鬼山です。
石にぶつかったところで右へ進み、道なりに歩いていくと南北朝時代のものと言われる宝篋印塔(ほうきょういんとう)
のある小さな公園があります。 |
大曽根浦駅まで |
宝篋印塔のある小公園のところで、国道42号からの道と矢浜からまっすぐ進んできた道が交差しています。この交差点に八鬼山越えの道路標識があるので、これに従って南の方へ続く下り坂を歩いていきます。右手と正面前方に東邦石油の石油タンクを眺めながら、矢ノ川に架かる矢ノ川橋を渡って突き当たりを左へ。右手に石油タンク、左手に矢ノ川の河原を眺めながら、真っすぐな道をしばらく歩いていくと、石油タンクの横に八鬼山越えの道路標識が出てきて、そこに「尾鷲節道標歌碑」が置かれています。馬越峠から下りてきた北川橋から1時間ほどでここまで来ます。
道標歌碑から右へ続く道へ入っていくと八鬼山越えの登り口ですが、ここはそのまま直進。農協の選果場を過ぎて道なりに歩いていくと向井の集落に入ります。しばらく一本道を歩いていくと、やがて道なりに左へ曲がってJRの線路をくぐります。
線路をくぐったところで右へ進み、海沿いに続く2車線道路を歩きます。アップダウンを越えたところで道なりに右へ曲がっていき、JRの線路をくぐる手前で左へ。少し歩けば右手に大曽根浦駅があります。尾鷲節道標歌碑から25分ほどで着きます。 |
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