三重県政策部 東紀州対策局長 林敏一 あいさつ
普段から、それぞれの立場で熊野古道の保全・活用に活躍してもらっていることに対して、この場でお礼を申し上げるとともに敬意を表します。
東紀州対策局という組織が三重県庁にできて3年目ですが、東紀州地域は依然として厳しい状況にあります。将来的にも、一層の人口減少など厳しい見通しが示されています。そういう中で私たちは、がんばっていらっしゃるみなさんの地域づくりを支援していかなければならないと考えています。
平成25年度には、高速道路が熊野まで開通する見通しで、これまでにない交通網が出来ることになります。それが活用できるような準備を整えるのが、今するべきことだと思います。
また、「熊野倶楽部」は、熊野古道の世界遺産登録5周年に合わせたオープンを目標にして準備を進めています。さらに、東紀州観光まちづくり公社は、1次産業に2次産業・3次産業を組み合わせた6次産業化や地域の動きをコーディネートするための組織にしていきたいと考えています。
来年の世界遺産登録5周年記念事業のための予算議論が、秋から本格化します。みなさんの取組と連携できるよう、予算に反映させていきたいと思っています。
また、「美味し国おこし・三重」というイベントが始まりますが、みなさんの取組は、まさにこれを先行して実践しているものだと思っています。今後ともよろしくお願いします。
熊野古道に携わるみなさんにとって、情報共有・意見交換の場として、今後の活動に役立てていただければと思います。
熊野古道協働会議 代表世話人 花尻薫氏 あいさつ
第1回が開催されてから5年も経っているので、会議の意味を確認しておきたいと思います。会則の第1条に趣旨が書いてあって、「熊野古道に関するさまざまな活動をしている関係者が一堂に会し、意見交換や調整をしていく場として、熊野古道協働会議を設置する。協働会議は多くの人々が参加し、討議を重ね協働していくことで、熊野古道をめざすべき姿に近づけていくことを目的とする。」ということです。これまでにいろんなことに取り組んできましたが、平成18年には「伊勢路を結ぶ」というテーマ、さらに平成19年には「伊勢路を結ぶ・つなぐ」というテーマに重点的に取り組んできました。今日も和歌山県で大辺路の保全活動に携わっているみなさんが参加されていますが、今後も広い範囲で熊野古道に関する取組をしていきたいと思います。
2 熊野古道アクションプログラムの取組状況について 〜重点テーマ「伊勢路を結ぶ」を中心に ・・・ 「熊野古道アクションプログラム」はこちら(三重県サイト)
昨年の協働会議では3つの団体から活動報告をしていただいたように、3年間にわたって「伊勢路を結ぶ」という重点テーマに取り組んできました。その成果について発表させていただきます。
平成17年には「熊野古道伊勢路踏破リレーウォーク」という、4回にわけて伊勢からの熊野への全行程を踏破するというイベントを開催しました。参加者数は400名強、25人が全行程を踏破しました。そのときの参加賞として配布したイラストマップ第1巻が大好評だったため、残りの4巻もネット上だけでなく印刷して配布することにしました。
平成19年には、伊勢路を結ぶ仕組みづくりとして、「伊勢から熊野へ『平成の熊野詣』ふれあいウォーク月間」を開催しました。自分のペース・計画で歩いていただくというイベントで、1766人が参加、89人が踏破しました。アンケート結果などからわかったことは、「もてなし」というのは特別なことをするのではなく、まず一声掛けることに始まり、来た人を地域に受け入れることだということです。
これまでのみなさんによる取組の中で、点として存在していた峠などが、線になってきました。熊野川で三反帆を復活させた人、三瀬の渡しの復活に取り組む人、峠と峠をつなぐ町の地域づくりに取り組む人、いろんな人の取組がありました。今日の会議の出席者を見ても、玉城町の人、女鬼峠の保存に取り組む人、大台町の人に加えて、大辺路の保存に取り組む人など様々な人が出席しています。
今年の10-12月には、和歌山県と連携した情報発信をしていく予定です。世界遺産登録の箇所にこだわらず、伊勢から熊野へつながるようにしていきたいと思っており、イラストマップに続いて道標の整備をしていきたいと考えています。
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