私たちは常日頃、陸地から海を見ている。
行政の区割り、交通機関についても陸地からの視点で考えることが多い。
そこで私たちは一度、海からの視点でこの東紀州を見たらどのように見えるか
興味をもった。
海に出てみよう、海の中に入ってみよう、海から考えてみよう。
みんなで紀北から紀南までの海岸を船から眺めて見た。
海岸に立って対岸を見た。また、ボンベを背負って海に潜って見た。
東紀州の海と比較するため、みんなで沖縄の海の調査にも行った。
そこで見たものは、美しい海岸であったり、荒々しい海岸であったり、
サンゴや色とりどりのイソギンチャク、魚であったりした。
そこには、市町村の行政区画や県境は見られない。
一体としての連なった海があるだけである。
東紀州を中心にみるようになったのは、昭和43年に鉄道が開通してから
特に顕著になったと思われる。たかだか30年である。
それまで、何百年以上にわたって交通、特に物資の輸送は船であった。
海が今よりもっともっと身近な存在であったと思われる。
生産の場として海を見てみよう。
観光の場として海を見てみよう。
歴史の中に出てくる海を思い浮かべてみよう。
それよりもっともっと身近な存在として海と戯れてみよう。
いままであまり身近でなかった海から新しい視点が見えてくるような気がする。 |