通り峠の登り口近くにあるスペースに車を停めて準備します。
天気は快晴、お気に入りの帽子をかぶって超ゴキゲンでバタバタ暴れる娘を、だっこ紐でお腹の前に抱え、水分などの荷物は寝不足でややお疲れのツレアイにお任せ。千枚田を見に来る人は結構多いらしく、準備している間に車が何台も通過していきます。通り過ぎる車から「あの格好で歩くのか?」という視線を浴びながら、通り峠頂上と千枚田の一望できる展望台を目指して出発。
スギ林の中に続く石畳道には鮮やかなコケがたくさん残っているので、滑らないように注意しながらのんびり歩きます。歩いているのは私たち3人だけ、誰に気兼ねすることなくマイペース。
聞こえてくるのは自分達の話し声、息遣い、スギ林の中を通る風の音と、それによって木や草が揺れる音、どこかで鳴いているウグイスなどの野鳥の声、早くも地上に出てきたらしいセミの鳴き声。時々、少し離れた道路を走っていく車のエンジン音以外は、どれも心地よく耳に入ってきます。 |