東紀州は例年、GWの時期にお茶摘みの季節を迎えます。私はお茶の葉っぱと言えば買うものだと思っていたのですが、東紀州には、畑の脇などにお茶の木を植えて自家製のお茶を作る習慣があります。
今回は、お茶摘みをしてくれる人がいないというおばあさん(84歳)の家へ手伝いに行ってきました。
上の画像はお茶摘みした場所。市街から少し離れた山のふもとにあるのですが、15年ほど前に誰も住まなくなりました。かつては一面に花や野菜が植えられて地上の楽園のような畑だったそうですが、今はご覧のとおりの荒れ野原、サルやイノシシの良い遊び場になっています。
杖をつきながら、少し不自由になってきた足でゆっくりと歩いてきた84歳のおばあさんは、「その昔は、ここで作った花を毎日売りに行っていたし、野菜は鈴なりによく実った。老後もここでルンルンの生活を送れると思っていたけど・・・・。」と今の景色を眺めながら昔の様子を語ってくれました。畑のすぐ脇には、地上の楽園の名残か、珍しい黄色のツツジが咲いていました。
山を拓いて畑や家にした場所は、人がいなくなれば、あっという間に草や木が生い茂ります。以前から過疎化・高齢化が急速に進み、一足先に人口減少社会に突入した東紀州では、こんな風に山野に戻りつつある場所も少なくありませんし、これからもっと増えていくでしょう。 |